理系的発想vs文系的発想
2021年9月17日
国立大学の理系化、私立大学の文系化
下図は日本の学校というHPに掲載されていた、主要大学における2017年度一般入試における募集人員の総数です。
この図からも明らかなように、国立大学は理系、私立大学は文系というすみ分けが進展しています。
この背景には理系は教育にお金がかかるので、国と私立大学が役割分担をする傾向があり、理系は国立、文系は私立という構図が出来上がりつつあることが背景にあるものと思われます。
日本の場合は大学生の大部分が私立大学に通っているので、このデータからも分かるように大学生の大半が文系です。
この事は過去記事である製造業の社長の皆さん、文系女子を雇いませんか!でも解説した通りです。
理系の方が社会に貢献しているとは言わないですが、これだけ理系が少ないとどんな弊害があるのか理系の発想法と文系の発想法の違いから考察して行きましょう。
理系の発想と文系の発想の相違
理系とは、その言葉どおり、理に基づいて、その思考と行動を決定する傾向があると言えます。
文系とは、その言葉どおり、文、即ち、文章によって、その思考と行動を決定する傾向があると言えます。
理に基づいた発想に関して、いくつかポイントを上げます。
- あらゆる事象を定量化し、数学的な操作を行えるようにして、判断・行動する。
- 仮説に対しては、実験や調査によるエビデンスを持って証明しようとする。
- プロセスに指向した判断・行動を行おうとする。
この方法は、遠回りに見えるがショートカットである事が多いと考えます。
定量的アプローチであると言えます。
では文に基づいた発想についてもいくつかポイントを上げます。
- あらゆる事象を文章化・言語化し、言語により操作を行えるようにして、判断・行動する。
- 仮説に対しては、適合事例を集めて、証明しようとする。
- 共感や感情に指向した判断・行動を行おうとする。
この方法は、再現性について課題がある事が多いと思います。
定性的アプローチであると言えます。
どちらの考え方やアプローチが優れているとか、正しいとは言えませんので、それぞれのいいとこ取りをすれば良いの思いますが、日本において、あまりに理系が少ないため、もう少し理系的発想を定着させる必要があるのではないかと思います。
大阪工業大学
研究支援・社会連携センター
シニアURA
北垣和彦