V E N T U R E

大学発ベンチャー特集

大阪工業大学 大学発ベンチャー企業設立支援制度

制度の設立趣旨

日本の成長戦略においてベンチャー創造に対する期待が高まっています。その中で特に期待されているのが、大学発ベンチャーです。大学の研究活動により、生み出される技術シーズや保有特許が、技術移転され、ベンチャー起業と事業の発展を通じて、既存産業の基盤技術を転換させ、産業構造のリノベーションが起こる事が期待されています。大学は大学発ベンチャーを支援し、起業を促す事による社会貢献を要望されており、大学発ベンチャーを支援する大学は、社会や国からも高く評価されるようになってきています。そこで大阪工業大学は、研究支援・社会連携センターを主管部門とし、大阪工業大学 大学発ベンチャー企業設立支援制度を設立いたしました。大学発ベンチャー起業創出をサポートする事により、下記目的を実現します。

  • 研究力の強化
  • 研究ブランディングの向上
  • 大学発ベンチャーへのライセンス供与によるライセンス収入の増大
  • 社会貢献の強化

大阪工業大学 大学発ベンチャー企業設立支援制度

株式会社エコソリューションネット
株式会社レーザーラボ
株式会社 Bettervibes Eng.
レイタント合同会社

採択プロジェクト SCORE 大学推進型

PROJECT 01
採択年度 - 2020年

光照射によるカーボンカプセル材料創出法の開発

大阪工業大学 工学部 応用化学科 教授
藤井 秀司

カーボンカプセル材料は、優れた電気特性を有し、比表面積が大きく表面機能の増幅が可能であるため、先端工業分野において機能性材料として注目を集めている。本研究は、光の照射というシンプルな操作によるカーボンカプセル材料創製法の確立を目的とする。具体的には、熱分解性高分子粒子の表面にカーボン材料前駆体である共役系高分子を被覆したコアシェル粒子を合成し、これに光を照射することで共役系高分子の発熱・炭化、およびコア部の熱分解除去を同時に引き起こし、カーボンカプセルの合成を行う。さらに起業化を視野に入れ、種々の化学組成、サイズ、壁厚みを有するカプセルのライブラリーを作製する。

本研究における技術開発を通じて創業する大学発ベンチャーとして下記3種の形態を想定している。

  1. 当該技術開発によって生じたプロセス特許のライセンスベンチャー
  2. 当該技術開発によって開発されたプロセスを具現する製造ライン販売ベンチャー
  3. 当該技術開発によるプロセスを利用し合成する材料販売ベンチャー

PROJECT 02
採択年度 - 2020年

農業生産現場における経営改善のためのIoTデバイス、シミュレータの開発

大阪工業大学 工学部 環境工学科 教授
皆川 健多郎

農業の担い手不足や耕作放棄地の増加が問題となっている農業生産現場で必要となる技術の開発と実装を行い、それらを用いた効率的な農業経営の改善についての研究を実施する。本研究は、①安価なIoT(InternetofThings)デバイスの開発、②蓄積されたデータを解析するシミュレータの開発、ならびに③最適な作業計画を提案することにより、日本各地の農業の労働生産性と土地生産性を向上させることを最終的な目標とする。本研究では、500枚以上の圃場を有する大規模農業生産法人の協力のもと実地検証を行う。「GAPファンド」による研究実施期間終了後は、本提案の研究成果をもとに大学発ベンチャーとして法人設立することを予定し、本研究シーズが多くの農業生産法人へ広く用いられるように技術移転を目指す。

PROJECT 03
採択年度 - 2020年

「機能性表示食品」取得を目指した臨床試験研究と成果物・検証プロセスの社会実装・事業化

大阪工業大学 工学部 総合人間学系教室 准教授
西脇 雅人

本研究では、天然白ハチミツの定期摂取効果を検証する大規模臨床試験と更なる食品成分の検証を進め、科学的根拠を蓄積した上で、消費者庁への「機能性表示食品」の申請・認可、食品販売への関与を目指す。また、より科学的根拠が蓄積された後には、「特定保健用食品」への申請・認可を目指す。また、こうした基礎から臨床までの一連の研究による科学的根拠の創出とこの認可申請プロセスは、企業が「機能性表示食品」の認可申請および認可取得を目指す過程において、極めてニーズが高く、申請者らの研究成果の直接的な活用が想定される。「機能性表示食品」は、生鮮食品を含め、ほぼ全ての食品(ただし、一部の食品のみ例外がある)が対象となることから、今後は、特定の大企業のみならず、食品系・医薬品系・化粧品系の中小企業や個人からの機能性表示の申請希望がより増加する可能性が高い。そのため、「機能性表示食品」や「特定保健用食品」取得のための臨床研究や関与成分の定性・定量、および作用機序の考察を全面的に委託・代行・指導・サポートすることで、本学の研究環境とそこでの研究成果を最大限利用した検証プロセスの社会実装・事業化を最終的に目標とする研究・事業計画である。最終的に、例えば、既存の臨床試験・治験代行及びサンプル分析会社として事業化することをイメージしている。将来的には、食品分析からDNAの分析まで、より専門的な分析を加えることが可能と予想される。

PROJECT 04
採択年度 - 2021年

ペプチドを基軸とする神経障害性疼痛治療薬の開発

大阪工業大学 工学部 生命工学科 教授
芦高 恵美子

糖尿病やがんなどに伴う神経障害性疼痛は、アスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬やモルヒネなどのオピオイド鎮痛薬が効かない難治性疼痛である。申請代表者らは、神経ペプチド・ノシスタチンが髄腔内投与により神経障害性疼痛に特徴的な触れることが痛みとなるアロディニアを抑制することを見出した。さらに、ノシスタチンに由来するペプチドとその誘導体を経口投与すると、神経障害性疼痛を抑制することを見出した。本研究では、神経障害性疼痛に対するノシスタチン由来ペプチドの経口投与の創薬に向け、ペプチドの体内動態と作用機序を検証し、その有効性を明らかにする。また、ノシスタチン由来ペプチド含有食品を探索し、機能性食品による疼痛管理の可能性を検証する。これらの研究成果を基に、大学発新産業創出プログラム(START)への申請や製薬や食品会社との共同研究を経て、ペプチドを基軸とする神経障害性疼痛の創薬と機能性食品の創出を目指す。

PROJECT 05
採択年度 - 2021年

分散センサに基づく危機管理AIシステムの実現、及び事業化

大阪工業大学 情報科学部 情報知能学科 教授
尾崎 敦夫

大規模なイベント会場や商業施設等にセンサを分散配置し、対象空間内の人数分布および人流をリアルタイムに取得することで、混雑状況を把握および予測する。そのデータを、三密回避等の感染症対策や、有事(地震や台風、水害等)の際の、安全で効率的な避難誘導などのために活用する。また、平時においても、このデータを、店舗の最適配置や個別イベントの適時適所開催等を行うために活用する。このように平時~有事において、来場者の安全・安心や、イベント・施設運営者の効率的な経営を支援するための方式・システムを開発し、システムのレンタルと情報提供を行うサービスプロバイダーでの起業を目指す。

CONTACT

お問い合わせ先

大阪工業大学 研究支援・社会連携センター
大阪府大阪市旭区大宮5丁目16−1 ( 大阪工業大学7号館11階 )
Mail: OIT.Kenkyu@josho.ac.jp TEL: 06-6954-4140 FAX: 06-6954-4066


大阪工業大学 梅田キャンパス
〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町1−45