■テラヘルツ波時間波形計測システム

　図1はテラヘルツ波時間波形計測システムの主要部分を撮影したものです。半導体試料から放射されるテラヘルツ波を放物面鏡を用いて集め、もう一方の放物面鏡によって電気光学結晶に照射させます。そして、テラヘルツ電場によって生じる電気光学結晶の屈折率変化を、近赤外光パルスを用いて検出します（挿入図は光パルスが電気光学結晶を通る様子）。

　テラヘルツ波は水分子に強く吸収される性質があるため、精密な調査を行うためにはテラヘルツ波の経路中の水蒸気を取り除く必要があります。図2は、手作りの窒素パージボックスです。図1に示した光学実験部品をボックス内に設置し、レーザー光はボックス側面に取り付けた光学窓から入射させます。そして、ボックス内部を窒素で満たした後、テラヘルツ波を測定します。図3は窒素バージ下でのテラヘルツ波時間波形の測定結果の一例です。最近では、パージ時間を短縮させるために、乾燥空気と窒素ガスを併用した除湿システムへの改良を進めています。