学部・学科の分類 - 機械工学科

11件の研究シーズが見つかりました

桑原 一成

高精度ノッキング予測モデルの開発

数値的検討により新たなエンジン技術の開発を加速することが求められている。数千の化学種と数千の素反応から構成される詳細反応モデルが記述するガソリンの着火遅れ時間の温度・圧力・当量比・EGR依存性をわずか五つの式により誤差10 %以内という高精度で再現可能な方法を確立した。この着火遅れ時間総括式を用い、最も簡素な着火予測モデルとして普及しているLivengood-Wu積分を遡り型で行うという新たな発想により、高汎用性、高精度、低計算負荷を極めて高いレベルで並立させたガソリン着火予測モデル(ノッキング予測モデル)を確立した。このモデルを天然ガス、水素、アンモニアなどの新燃料の着火予測に拡張することにより、これらの燃料を用いた新世代エンジンの開発に大きく貢献可能であると考える。

井原 之敏

多軸制御工作機械の加工精度向上

除去加工を行う工作機械は、機械の精度が悪いと加工方法や工具がどんなに良いものを使用しても加工されたものの精度はよくなりません(母性原理)。しかし、機械そのものの精度はあまり見えてこないのが実情です。特に多軸制御工作機械は機械そのものの精度を検査する方法も定まったものが存在しませんでした。そこで私たちの研究室では機械の運動精度を検査する方法を提案し実施することでまず機械の精度を保証し、そのうえで加工方法について提案と検証を行っています。

吉田 準史

製品音の分析・改善技術

我々の周りには声や楽器、飛行機の音など様々な音があり、同じ音でも心地よい音もあれば騒音と判断される音もあります。自動車走行中の音などのような製品が稼働することで生じる音は一般的に騒音と捉えられやすいですが、時には製品の状態を知る有効な手がかりになります。このことを踏まえ我々は製品音に着目し、その音全てを低減対象とせず、必要な成分と下げるべき成分に分別しようとしています。また下げるべきには、そのメカニズムを的確に把握する技術を構築しています。そして必要な音に対しては、その音を選び出し状態認知を手助けする方法も検討する等、音が持つ可能性を踏まえた技術開発を進めています。

羽賀 俊雄

鋳造鍛造によるリサイクルAl-Mg合金の機械的性質の改善

AC7AのようなAl-Mg合金は,鋳造したままで塑性加工や熱処理をせずに良好な機械的性質が得られる.つまり省エネルギーの利点がある.本研究では,AC7A合金機械的性質に対する,鋳造時の冷却速度影響,不純物Feの混入の影響,熱間鍛造の影響について調査した.その結果,Al-Mg合金はFeの混入に対して強いロバスト性,つまり機械的性質の低下が小さいことが明らかになった.

山浦 真一

磁歪材料を応用したエネルギーハーベスト発電体の創製

本技術は、鉄コバルト系磁歪合金の逆磁歪特性を利用し、さらに衝撃付加部を組み込んで一体化させた、衝撃振動発電機です。発電促進のため、発電機内にリング状磁石を設置し、さらに磁歪合金コア材が衝撃により大きくスライドしながら固有振動を起こすため、通常の衝撃振動発電機と比較して、発電時間が長く、さらに発電力も高い点が特長です。一回の打突で30個以上のLEDを点灯させることが可能です。 エネルギーの地産地消に貢献し、IoT機器の駆動も可能です。

上辻 靖智

機能材料のマルチスケール最適設計

 材料に優れた特性を発現させる鍵は,微視構造にある.次世代新規デバイス開発の核となるマルチフェロイック材料の電気磁気効果を飛躍的に向上することを目的とし,顕微鏡で観察される微視(ミクロ)スケールと機械構造物を捉えた巨視(マクロ)スケールを連成したマルチスケール構造最適設計を駆使して,数値解析主導の材料設計開発を提供する.

上田 整

弾性数理解析による材料設計

数理固体力学は材料・機械・建築・土木工学に限らず、広い応用分野の様々な現象に対応しているが、その応用の根幹となるのは「線形弾性力学」である。この弾性力学は応用の目的や現象に合わせて基礎微分方程式を解くことに帰着される。  本研究室では、苛酷な使用条件下にある機械・構造物の材料設計および安全性・信頼性評価を目的として、材料の電気・熱・力学的挙動を解明している。恩師から頂いた言葉「弾性体の平衡の問題においては、非常に一般的な大定理を打ち立てるよりは、種々の特解を求めて集積することで知識はもたらされる」を胸に、以下に示すような破壊力学解析を実施し、弾性数理解析の学問分野の確立を目指している。

西川 出

デジタル画像相関法によるき裂・欠陥の非破壊検査

負荷を受ける部材の表面画像を2枚(時間差1秒程で2枚撮影する)利用して、表面のひずみ分布を非接触で評価するデジタル画像相関法を援用することにより、変位・ひずみの評価システムを構築した。さらにこれを発展させ、き裂や欠陥に生じる特有のひずみ場を利用することにより、き裂・欠陥の有無は言うに及ばず、き裂周りの応力や応力拡大係数さらにはJ積分といった破壊力学パラメータを高精度に非接触評価できるシステムを開発した。

橋本 智昭

融液内対流のモデル予測制御

融液内対流を制御する手法としては,るつぼの回転速度の調整,るつぼ側面の温度調整,磁場の印加などが制御入力の候補として考えられる.融液の対流現象を表現するための基礎方程式として,融液を非圧縮性流体と仮定すると,質量保存則から導かれる連続の式,運動量保存則から導かれるNavier-Stokes方程式,温度の拡散現象を表すエネルギー式,濃度の拡散現象を表す物質拡散方程式が挙げられる.これらの基礎方程式で記述される熱流体システムに対して,モデル予測制御系設計法が確立されている.

原口 真

メカトロニクス技術を活用したリハビリテーション機器の開発

メカトロニクス技術や機構設計を活用したリハビリ介助機器を研究開発しています.脊髄損傷者向けの階段昇降可能な車椅子や,高齢者などを対象とした持ち手が移動可能な新型歩行器,起立動作のリハビリ支援装置,免荷式アシストスーツといった,使用者の移動を支援する機器をはじめとして,脳卒中患者向けの上肢リハビリ支援装置や手指リハビリ装具の開発も行っています.