コラム

ホーム コラム社会変革をもたらした法則・技術・発明について

社会変革をもたらした法則・技術・発明について

2021年5月23日

投稿者: 北垣和彦

はじめに

これは人によっていろいろな意見があるでしょうし、影響度を定量化するのも困難なので、筆者の独断と偏見で、徒然なるまま書き綴ってみます。

 

紙を手にした事により、人類は記録の力や証書の力を手に入れる事ができましたので、まさしく社会変革をもたらした筆頭としても良いでしょう。

筆者が特に注目しているのが、和紙です。和紙は洋紙に比べて、繊維が長く、強靭で1000年ともいわれるほど寿命が長いので、日本には古くからの色々な記録が和紙で残っています。

時の権力者の指示で書かれたような歴史書等や記録は、捏造されている可能性が高く、信ぴょう性に欠けますが、例えば、個人の日記や商売の記録台帳等、一般社会に存在している古文書等はリアルな世界が描かれているので、信ぴょう性が高く、日本史は和紙が丈夫で寿命が長い事から、多くの一般社会に存在する記録から分析されている事もあり、信ぴょう性が高いとされています。

尚、そんな社会を支え続けてきた紙ですが、下図に示します通り、記録の電子化の影響で、米国、日本では紙の生産は毎年、微減の傾向にあります。

中国は物流増の増大に伴う、板紙の生産増が主な要因で増加をしているのでしょう。

 

出典:RISI Annual Review 2015

車輪

車輪は人類の輸送能力を格段に向上させた大発明だと考えています。

車輪なしに物を運ぶ手段について考えてみましょう。

まずは物を持ち上げて移動させる方法が考えられますが、これはとても大変であり、非効率であり、可搬重量が限定されてしまいます。

次に考えられる方法は、地面を擦りながら移動させる方法です。これだとものすごく力が必要ですし、移動速度もゆっくりです。

古代においては、その課題解決に重たい石材等を運ぶために、細い丸太等を使ったコロを用いて摩擦低減をしていましたが、コロをいちいち移動させる必要があり、不便でした。

コロを用いたポイントは、動摩擦にあります。即ち動摩擦の場合は地面に接触している面積が非常に狭いことから、静摩擦と比較して格段に小さな力で移動できる事になります。

しかしコロであれば、連続動作が不可能です。それが車輪にすると連続動作が可能になる点がこの発明のミソです

 

交流送電

エジソンズ・ゲームは2017年に放映されたアメリカの映画ですが、技術が好きな人にとっては、とても面白い映画です。アメリカにおける電力の供給方法を巡って直流送電のメリット主張するトーマス・エジソンに対し、交流送電のメリットを主張するジョージ・ウェスティングハウスの戦いが描かれています。

ここで交流送電のメリットについて解説をいたします。

遠くまで送電できる

電気を送るのは、水と同じで、高い所から流す方が遠くまで届きます。即ち高電圧で送電すれば遠くまで届きます。

しかし高電圧のままだと、家庭で受け取る時は危険ですが、交流送電の場合は、変圧器を用いれば、容易に変圧が可能なので、低電圧で家庭に供給できます。

前述のエジソンゲームでは、直流送電側のエジソン陣営はその事を逆手にとって、交流は高電圧なので、危険である事を強調します。

もしもの時の遮断が容易

交流は、プラスとマイナスをサインカーブ描いて交互に繰り返すので、電圧ゼロ、即ち電流が流れない瞬間を定期的に繰り返します。そこでもし何らかの事故で電気を遮断する必要があれば、電流ゼロの瞬間を利用して遮断すれば、電気系統に与えるダメージを最小化して遮断する事が出来ます。

もしも直流送電派が勝っていたら、電気の普及は遅れていたと思いますので、独断と偏見で、社会変革をもたらした法則・技術・発明として交流送電を取り上げさせて頂きました。

 

スケーリング則

世の中を劇的に変化させる現象を表すもの・・・それは指数関数です。

過去記事の量子コンピューターvs小さなAIで取り上げさせて頂いたスケーリング則がまさしく指数関数の原理に乗っ取っています。

これも過去記事のコンピュータの処理能力向上とデバイスのコモデティ化がもたらす社会変革に述べさせて頂きました通り、スケーリング則が近年の社会変革に大きく関わっています。

従って、スケーリング則を社会変革をもたらした法則・技術・発明に取り上げさせて頂きました。

 

ブロックチェーン

これは過去記事の技術革新と政治経済の関係で述べた通りですが、今後、社会の根源を揺るがしかねない技術になるものと思われますので、とりあげさせて頂きました。

 

まとめ

徒然なるままに、社会変革をもたらした法則・技術・発明について、筆者の考えをまとめさせて頂きました。

さてこの先の未来にはどのような世界が待っているのでしょうか?

何か新たな社会変革をもたらした法則・技術・発明の気づきがあれば、続編をお届けしたいと考えております。

大阪工業大学

研究支援・社会連携センター

シニアURA

北垣和彦

 

Back To Top
a

Display your work in a bold & confident manner. Sometimes it’s easy for your creativity to stand out from the crowd.

Social