URAについて
2021年7月27日
URAについて
私自身はシニアURAというポジションを拝命しているのですが、一般の皆様には聞きなれない言葉ではないでしょうか?
URAとはUniversity Research Administratorの略であり、大学において、研究活動の企画・マネジメント、研究成果の活用促進を行う仕事に取り組んでいる人の事です。
要するに研究者とともにこれらの活動を行う事により、大学の研究を活発化させる職務を担っています。
米国においては、約50年以上も前から存在していた職務でしたが、日本ではここ最近注目されつつある職務です。
なぜURAが注目されてきているのか?
なぜ大学業界ではURAのような新たな職務が注目されて来ているのでしょうか?
その理由の一番目としては、学術研究の在り方が変化してきている事が挙げられます。
学術研究は現在では、国際化が進展するとともに学際化、即ち学問領域の融合化が進展しています。
更に、研究成果の社会的課題解決への応用や、研究成果の社会実装への要求が強まっています。
その結果として、研究者単独での学術研究の遂行が困難になってきていることが、URAが注目されてきている背景にあります。
又、もっと現実的な話をしますと国公立大学に対する運営費交付金の削減、私立大学に対する経常費補助金の削減により、大学は外部資金を獲得して行かなければ、経営維持が困難になりつつあり、大学組織として、大型競争的資金の獲得や産学連携収入の獲得が必要となっており、URAにその任務が期待されています。
日本のURA仕事の現状
下図は、産官学連携ジャーナルから引用しましたURAの人数別のURAの仕事内容調査です。
明らかに小規模な大学程、産学連携が主な実態である事が分かります。
逆に小人数大学ではURAがポストアワードに取り組んでいる率はわずかです。
ポストアワードとは、競争的資金等の外部資金を獲得して来た場合のプロジェクトを研究者をサポートする仕事ですが、URAの人数が少なければそこまで手が回らないのが実態であるという事になります。
このようにURAの人数によってもURAの仕事内容は異なってくるという事がお分かりいただいた事でしょう。
以上、皆様にあまりなじみのないURAについて解説させて頂きましたが、日本の大学の未来、そしてURAの未来はどうなるでしょうか?
大阪工業大学
研究支援・社会連携センター
シニアURA
北垣和彦