WEB広告やSNSについて~個人に勝てない組織~
2021年5月30日
注目されるSNS等によるWEBマーケティング
現在は企業のみならず大学を含めてあらゆる組織がWEB広告やSNSに注目しています。
下図の通り、日本のSNS利用者は年々、増え続けています。
その背景としては、新聞広告やTV広告と比較してインターネットを活用した広告には次の特長がある事がその要因です。
- 広告効果が数値化されて明確に分かる
- ターゲット顧客に絞りこんだ広告が可能となる
合わせて、顧客とのコミュニケーションを図るためにSNSを活用する組織も増えて来ています。
しかし単に他社が取り組んでいるからと安易に始めても、なかなか効果が出て来ていないのが現状ではないでないでしょうか?
注目すべき個人の活動
WEBマーケティングがSNSの活用で悩んでいる組織が多い中、いわゆるインフルエンサーと呼ばれる個人で活躍している人が多くいます。
組織の活動が個人活動に勝てないケースが多発している理由を考察してみます。
- 上層部がWEBマーケティングやSNSに対して、理解がなく的外れな方針を出す
- 組織で情報発信する場合、チェック部門が多すぎて、個人の発信頻度を下回る事がある
- 組織で発信する場合は、炎上を回避するために、無難なあまり面白くないコンテンツの発信になりがちである
一方で、個人が発信する場合は、以上の制約条件が基本的に無いわけですから、面白いコンテンツを高頻度で発信できる事になり、個人が組織を凌駕するケースがしばしば発生します。
組織変革のチャンス
別の見方をすれば、WEB広告やSNSの導入は組織変革のチャンスであると言えます。
- WEB広告を導入する事により、従来は経験と勘に頼っていた経営が、あらゆる事が数値化される事により、科学的で合理的な経営の導入が進む事への期待
- 個人に負けない情報を発信をするために大幅な権限委譲の必要性が迫られ、組織変革のトリガーになるうる
- 自律的な組織運営が可能となり、いわゆる老害の排除が可能に。
以上、WEBマーケティングやSNSの導入は、自組織の変革の大きなチャンスと捉えて取り組むべきであると考えます。
リスク分散のためにブランドの複線化を
一方で、やはり組織にとって、炎上はブランド棄損のリスクは存在しています。
時々。企業によっては、経営コンサル等の分析結果に従い、複数あったブランドを一本化するような事をしますが、それって本当に正しいでしょうか?
リスク分散という事から考えると、複数のブランドを持っている方が、リスクの低減を図れます。
確かにTVや新聞が広告の主流だった時代にはONEブランドの方が、広告宣伝費の抑制に有効だったことでしょう。
しかし商品や顧客層によって異なるブランドを持っている方がWEB広告での決め細かい広告ができて有効だと思われます。
大阪工業大学
研究支援・社会連携センター
シニアURA
北垣和彦