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スマートシティについて考える。そしてスーパーシティへ

2021年6月5日

投稿者: 北垣和彦

スマートシティ構想の背景にあるもの

スマートシティとは先進技術を活用した持続可能な都市とされています。

そしてスマートシティの中核になるのはIoT等によるICT技術が設定されています。

行政の視点で、なぜスマートシティ構想が必要なのか、考察してみましょう。

まずは行政の視点でもっとも重要なのは行政サービスコストの抑制です。

又、電子化の遅れが、日本の国際競争力低下を招きかねないという懸念もあります。

例えば、日本の人口が減少していけば、過疎地域が増えていきますが、過疎地域に対しても行政サービスを提供する必要が出てくるので、今後の一人舞の行政サービスコストの増大が懸念されます。

モデルになっているのが、エストニアの電子政府でしょう。

エストニアが電子政府が実現できている最大の背景には99%という高い電子IDの普及率が挙げられます。

それに対して、日本におけるマイナンバーカード普及率は2021年4月1日時点で、28.3%となっています。

日本で電子IDが進まない理由としては、電子IDが導入される事により監視社会になる事を恐れる導入反対派の人々の存在があげられます。

であれば、電子IDの導入を促進する事による社会のスマート化による明るいビジョンや利便性を訴求することにより、電子IDの導入賛成の世論形成をする必要があります。

 

スーパーシティとは

2020年5月末にスーパシティ法案、正しくは「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」が成立しました。

国家戦略特区とは、特区に認定された地区においては、大幅な規制緩和を行う事により、経済の活性化に取り組む活動です。

例えば、自動運転等を社会実装しようとすると道路交通法等の規制緩和が必要となりますので、国家戦略特区に認定された地域で、規制緩和の要望があれば、その地域に限定して規制緩和する事により社会実証を行い、少しづつ社会実証で明るみになった課題を解決しながら、将来では全国展開していこうという試みです。

内閣府の定義では、下記3つの条件を満たす都市をスーパーシティとしています。

  1. 移動、物流、支払、行政、医療・介護、教育、エネルギー・水、環境・ゴミ、防災、防犯・安全、の中から少なくとも5つ以上の領域にまたがるDX生活サービスが提供されること
  2. 住民目線でより良い未来社会の実現がなされるように、住民コミュニティが中心となり継続的改善が実施されること
  3. 2030年頃に実現される未来社会での生活を加速実現すること

又、この取り組みを全国展開しやすいようにAPI化を目指し、スーパーシティ内の複数システム間もしくは異なるスーパーシティも含めてをAPIで接続して、広域な情報集約・提供を可能とすることも必須要件とされています。

すなわちスーパーシティ構想は街まるごとロボット化を目指した活動と言えるでしょう。

又、一般的にはスマートシティ構想は技術シーズ思考であるのに対し、スーパーシティ構想はユーザーニーズ思考、即ち住民目線が前提となっているとされています。

 

技術は善でも悪でもなく、社会は複雑系であるので、未来の事は誰にもわからない

スマートシティやスーパシティが導く未来はどんな未来になっているのでしょうか?

技術革新は、人類に明るい未来をもたらすのでしょうか?それとも監視社会によるディストピアでしょうか?

それは誰にも分かりません。

社会は複雑系であり、色々な要因が絡んでいるからです。

又、技術を用いるのは、あくまで人間であり、技術そのものは善でも悪でもないので、人間がどのように技術を用いるかにより、人類を幸福に導いたり、不幸に陥れたりするものだと思います。

 

スマートシティ・スーパーシティへの社会実装が期待される大阪工業大学の研究シーズの紹介

まず紹介したいのが、ロボティクス&デザイン工学部 システムデザイン工学科 小林教授の研究シーズです。

小林教授の研究シーズは、位置情報ツール“SeTTLE code”を利用したインフラ構築です。

この研究シーズは、GPS信号が届かない場所でも正確な位置情報が得られるインフラ構築を実現することを目的としています。

例えば、大阪の最大の繁華街である梅田地区は、シンボリックな意味で「ダンジョン」と揶揄されるほど迷いやすいとされる地下街(うめ地下)を形成しています。

当該研究シーズは、地下街のような電波状況の悪い場所をふくめ、様々な場所・施設での利用が可能なシーズです。

研究シーズの技術内容を説明いたします。

この技術ではQRコードを用い、大域位置推定が可能です。

QRコードを撮影したカメラの位置 (x, y, z) と姿勢 (yaw, pitch, roll) が得られます。

この位置と姿勢はQRコードに対する相対的なものではなく、GPS同様、大域的なものです。

また、このコードには空間図形情報を埋め込むことが可能です。

従って、道案内やロボットの誘導などにも利用できます。

また、スマートフォン等によりQRコードを撮影することで端末が取得した位置情報から、店舗等への誘導が可能となります。
さらに、モーションセンサを使わず、QRコードの画像情報のみで3軸角度情報も得られる為、撮影している端末の動きを利用した疑似的なインタラクティブコミュニーケーションが可能です。

ぜひこのような研究シーズをスマートシティやスーパーシティへの社会実装を加速し、技術を人類の幸福につなげていきたいものです。

大阪工業大学

研究支援・社会連携センター

シニアURA

北垣和彦

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