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コンピュータの処理能力向上とデバイスのコモデティ化がもたらす社会変革

2021年5月15日

投稿者: 北垣和彦

指数関数的に向上しているCPUの処理速度とHDDの記憶密度

下図の総務省のHPから引用してきた図をご覧下さい。CPUの処理速度とHDDの記憶密度は指数関数的に向上しています。

特にCPUの処理速度の向上は過去記事である量子コンピューターvs小さなAIで解説しましたムーアの法則とスケーリング則によるものです。

 

総務省のHPより引用

同様に、HDDやNANDメモリーと言ったメモリー媒体の記録密度も指数関数的に向上して来ました。

CPUの処理速度とメモリー媒体の記憶密度の指数関数的な向上により、コンピュータによってできる事が爆発的に広がり、今日のDXと呼ばれる時代の状況を産み出しています。

 

デバイスのコモデティ化

コモディティ化とは、マルクス経済学の用語です。一つのある分野の商品やサービスにおいて、製造企業や販売ルート毎の機能・品質等の属性と関係なく、経済価値が同質化していく様子を表しています。

即ち、他社との差別化による価格維持が困難になる事から、コモデティ化すれば、市場競争が激しくなり、市場価格は下がり続ける事になります。

下図の通り、特に、電子部品・デバイス、情報通信機器の近年のコモデティ化が激しく、性能は上記の通り、向上を続けているのに、価格が下がりつづけ、昔ならビジネス用途でないと使用できなかったような高性能な電子デバイスの大衆化現象が生じている事もDXの背景にあります。

 

 

総務省HPからの引用

 

一方で、デバイスの高性能化と低価格化で随分と社会変革が進みましたが、コロナ禍が無ければ、テレワークでの仕事スタイルがなかなか進展しなかったように、これらのメリットをまだまだ社会的課題解決に、うまく使い切れていないと言えます。

 

どのように社会変革に展開すべきか?

テクノロジーをいかに社会変革に展開すべきかを考えるにあたり、最初にすべき事は、どのような技術が存在しているか?その存在を知る事ではないかと思います。

大学は日々、研究を行っているわけですから、社会的課題解決につながりそうな多くの技術シーズを保有しています。

大学のこのような技術シーズをいかに未解決の社会的課題に結びつけるか?

資本主義社会においては、それは事業を通じて、社会的課題解決を行うのが基本となりますから、大学発ベンチャーの起業が今、注目されているとも言えます。

URAとして、CPUの処理能力の向上とデバイスのコモデティ化を活かした大学の技術シーズを掘り起こして、社会的課題解決型のベンチャー起業ができないかと考えている今日この頃です。

大阪工業大学

研究支援・社会連携センター

シニアURA

北垣和彦

 

 

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