この結果,上図に示されるように各方面での居住区までの距離減衰(図中青丸)は,公園内の木々や傾斜の影響で一般的な理論距離減衰よりも音量低減が大きいことが明らかになった.また,様々な気候条件の違いがある場合においても最小でも40dB以上の減衰(図中緑線)が見込まれることもわかった.このことから居住区において大阪府が定める騒音環境基準となる55dBを満たすには会場内の上限レベルを95dBとすることが適切であると判断した.
本分析結果を大阪府公園管理事務局に報告した結果,フェス会場内の上限音量が従来の92dBから95dBまで緩和されることとなり,コンサート出演者や観客に満足度の高いコンサート環境実現に助力することができた.さらに本年から既に本基準で野外コンサートが実施されているが,これまでのところ苦情件数の上昇も見られておらず居住区と会場との両立をはかることができている状態も確認された.
なお,本研究結果については以下の学会で発表済みおよび予定である.
・日本機械学会関西支部2024年度卒研発表会(発表済み)
・日本音響学会2025年度秋季大会(発表予定)
また,研究広報として以下の媒体でも研究内容がPRされた.
・FM802 RockKids802
・万博記念公園デジタルサイネージ
・大阪工業大学HP