二酸化バナジウム (VO2) は、結晶相転移が70℃付近で起こり、相転移による光学的 および電気的特性変化が大きいことが知られています。本プロジェクトでは、不純物添加やバッファ層を挿入することにより結晶相転移温度を制御するとともに、各種ガラス基板材料への成膜技術を確立し、赤外線波長領域に選択的な熱放射抑制効果を持つ赤外線 スマートウィンドウへの応用を検討しています。
本研究では、金属有機化合物分解法を用いてナノスケール多孔質モスアイ構造を有するVO2薄膜を作製し、①表面からの熱放射抑制 ②転移温度の低温化を確立することにより熱放射抑制効果と環境温度への適合化を実証し製品化することを目標としています。