学部・学科の分類 - 環境工学科

10件の研究シーズが見つかりました

高山 成

潜在有効発汗量を使った東京オリンピックマラソン競技における熱中症リスクの評価

一般的に熱中症危険度の指標として湿球黒球温度(WBGT)が使用されています.WBGTは携帯型の機器ですぐに測定できる簡便さがある一方,経験的な指標(めやす)で物理的な根拠に乏しいという欠点がありました.今回学生たちの実験を基に考案されたPESは,ヒトの熱の出入りの数理的な計算(人体熱収支モデル)が基になっており,脱水による体重減少率という定量的な指標で熱中症リスクを評価できます.さらに評価方法も,①気象台のデータから計算 ②WBGT計のような装置で現場で測定 ③WBGT値から推定 と3パターンのバリエーションで使え,物理的な根拠の明確さと実用性を兼ね備えた新しい熱中症リスク評価手法と言えます.

渡辺 信久

安全な電力実習装置

脱炭素、再生可能エネルギーが必要です。太陽光発電や風力発電を普及させる必要があります。電力系統に接続し、安定電力を供給するためには、環境技術者が学ぶ実習装置が必要です。結線方法と負荷の関係、発電機の特性など、人力発電で安全に、体感できるものを開発しました。最初は、イベント用として、「人力発電テレビ (リキテレ)」として作ったものですが、工学技術者育成にとても有用なので、出展しました。

粟田 貴宣

生物学的窒素固定の促進技術

本研究テーマは窒素固定微生物を用いたアンモニア生成技術開発を目指したものである。現行のハーバー・ボッシュ法で莫大なエネルギーを消費して生成されたアンモニアはほとんどが肥料として消費されている。水素エネルギー需要の増加によって水素キャリアとしてのアンモニアの注目度が増加する中、肥料のための窒素固定を生物学的行うことで低コスト化するだけでなく、アンモニア有効利用促進につながると考えられる。生物学的な窒素固定を利用するためには微生物活性を増加させる技術が必要であるため、活性化技術開発に取り組むテーマである。

皆川 健多郎

ものづくり人材育成のための教材開発とその検証

生産性向上はモノづくり現場のみならず、多くの現場における喫緊の課題となっている。かつてはこれらの課題に取り組む人材育成は、小集団活動やOJTも含め活発におこなわれていたが、長引く景気低迷、生産の海外移転などにより、近年ではその取り組みは必ずしも十分とは言えない。特にモノづくり現場では人口減少に伴う人手不足、またその対応としての外国人労働者の受け入れなど、生産性向上への対応は急務といえる。本研究代表者は、これまで1,000回を超える製造現場訪問を通じて、現場での実態を把握するとともに、問題解決のための教材開発ならびに教材を活用したセミナーの実施を進めてきた。さらにここにIoTも融合し、さまざまな現場にて自律的に生産性向上を実現する取り組みの推進と、経営工学(管理技術)の普及を目的としている。

松本 政秀

OpenFOAMを用いた混相流解析

PCB(ポリ塩化ビフェニル)分解処理反応器内壁における腐食減肉発生メカニズムを解明するための初期検討として,異種二流体が化学反応を伴わずに混合する過程の熱流体解析を実施している.解析ツールとして,OpenFOAMの混相流解析ソルバー群より,非等温で圧縮性が考慮できる二相/二流体の非定常解析ソルバーtwoPhaseEulerFoam を用いた.腐食性を仮定した高密度流体が反応器隔壁の数mmの隙間から鉛直下方へ流れ落ち,減肉の生じた底部内壁へ到達することが確認できた.

渡辺 信久

ごみ焼却で塩素の無機化をチェックする

ごみの燃焼は、たき火や山火事とは異なり、金属と塩類が共存する燃焼系であり、人類が初めて地球上にもたらしたものです。ハロゲンが金属を活性化し、新たな有機ハロゲンを生じます。これを最小化しなければなりません。塩ビなどの人工有機ハロゲンも、燃焼によって無機化・安定化されます。その監視・制御のために、気相の有機ハロゲンを迅速にオンラインモニタリングするものです。

笠原 伸介

低濁度原水の薬注撹拌制御に関する研究

近年、活性炭処理水など凝集性粒子をほとんど含まない低濁度水を対象にPACl注入を行い、急速砂ろ過を運用する事例が増加している。このような状況では、連続的に流入する凝集フロックではなく、突発的に流入する非凝集性粒子への対応を意図した運用、すなわち濁質捕捉効果の高いAl集積層をろ層内に速やかに形成することが重要と考えられる。 本研究では、急速ろ過層が有する固液分離の仕上げ機能を最大限に引き出すための凝集操作要件を明らかにするため、薬注後のGT値がAl集積層の形成と非凝集性粒子の阻止率に及ぼす影響を検討した。

加賀田 翔

光音響法を利用した熱的性質の計測技術の開発

 近年、エネルギーの有効利用がますます重要さを増しています。エネルギーの変換効率の改善や運転効率の向上には伝熱現象の正確な把握が必要です。また工業製品だけでなく人間も体温を保つ為に発熱し、体内で熱移動が起こり、周囲の環境と常に熱の授受を行っています。最近では人体と外部環境との熱の授受を解明し、温熱環境下における人体の快適性を定量的に評価する試みも行われています。あらゆる場面で生じる伝熱現象を正確に把握するには、対象物の熱的性質を定量的に知る事が必要です。当研究室では光熱変換法の1つである光音響法を利用し、非破壊で迅速、かつ簡便な熱的性質の計測技術の開発に取り組んでいます。