学部・学科の分類 - 機械工学科

18件の研究シーズが見つかりました

横山 奨

樹脂製マイクロ流体デバイスの量産に向けた拡散接合装置の開発

本技術は、主に金属の接合に用いられていた拡散接合を高分子樹脂に適用することで、医療用ディスポーザブルマイクロ流体デバイスの安価な量産の実現を目標としています。拡散接合は、母材を溶かすことなく接合界面を一体化するため、接合により透明性を損なうことはありません。さらに、多少の凹凸や切削痕が残っていても接合可能です。加工面への後処理も不要で、多種多様な高分子樹脂に対応可能です。現在、商用利用を目指して試作機を開発しており、テストサンプルとしてPMMA製のマイクロ流体デバイスの接合に成功しています。

山浦 真一

磁歪材料を応用したエネルギーハーベスト発電体の創製

本技術は、鉄コバルト系磁歪合金の逆磁歪特性を利用し、さらに衝撃付加部を組み込んで一体化させた、衝撃振動発電機である。発電促進のため、発電機内にリング状磁石を設置し、さらに磁歪合金コア材が衝撃により大きくスライドしながら固有振動を起こすため、通常の衝撃振動発電機と比較して、発電時間が長く、さらに発電力も高い点が特長である。一回の打突で30個以上のLEDを点灯させることが可能である。

羽賀 俊雄

高速ロールキャスターによるアルミニウム合金板の鋳造

ロール周速30m/min以上,冷却速度2000℃/s以上でアルミニウム合金板が鋳造可能な双ロールキャスターと単ロールキャスターの開発を行ってきた.溶湯から直接薄板の高速鋳造が可能であるため,省工程・省エネルギーの利点がある.また,高い冷却速度によりリサイクル材に含まれる金属間化合物を微細粒状化し,不純物を部外化することができる.つまりアップグレードリサイクルが可能になる.また,中心線偏析は,双ロールキャスターに特徴的な欠陥であるが,これを解決するためにスクレイパーを装着した単ロールキャスターを開発した.

上辻 靖智

機能材料のマルチスケール最適設計

 材料に優れた特性を発現させる鍵は,微視構造にある.次世代新規デバイス開発の核となるマルチフェロイック材料の電気磁気効果を飛躍的に向上することを目的とし,顕微鏡で観察される微視(ミクロ)スケールと機械構造物を捉えた巨視(マクロ)スケールを連成したマルチスケール構造最適設計を駆使して,数値解析主導の材料設計開発を提供する.

上田 整

弾性数理解析による材料設計

数理固体力学は材料・機械・建築・土木工学に限らず、広い応用分野の様々な現象に対応しているが、その応用の根幹となるのは「線形弾性力学」である。この弾性力学は応用の目的や現象に合わせて基礎微分方程式を解くことに帰着される。  本研究室では、苛酷な使用条件下にある機械・構造物の材料設計および安全性・信頼性評価を目的として、材料の電気・熱・力学的挙動を解明している。恩師から頂いた言葉「弾性体の平衡の問題においては、非常に一般的な大定理を打ち立てるよりは、種々の特解を求めて集積することで知識はもたらされる」を胸に、以下に示すような破壊力学解析を実施し、弾性数理解析の学問分野の確立を目指している。

牛田 俊

自己組織化マップを用いた模倣による小型ヒューマノイドロボットの動作制御

 日常生活の中で活躍するロボットには, 周囲の環境に合わせ臨機応変に動作することが求められる. ロボットに臨機応変な動作をさせるには, ロボットに他者の動作を模倣をさせることが有効である. ロボットは模倣により, 事前にプログラミングされていない新たな動作を獲得する. 本研究では, ロボットが人間のように新たな動作を獲得するシステムを構築することを目的とし, 自己組織化マップ (SOM: Self-Organizing Map) とモーションキャプチャシステムを用いて, 他者の動作を模倣させることにより, ヒューマノイドロボットの高度な動作制御の実現を目指す.

橋本 智昭

融液内対流のモデル予測制御

融液内対流を制御する手法としては,るつぼの回転速度の調整,るつぼ側面の温度調整,磁場の印加などが制御入力の候補として考えられる.融液の対流現象を表現するための基礎方程式として,融液を非圧縮性流体と仮定すると,質量保存則から導かれる連続の式,運動量保存則から導かれるNavier-Stokes方程式,温度の拡散現象を表すエネルギー式,濃度の拡散現象を表す物質拡散方程式が挙げられる.これらの基礎方程式で記述される熱流体システムに対して,モデル予測制御系設計法が確立されている.

羽賀 俊雄

クラッド材の作製用双ロールキャスター

世界に先駆けて開発したクラッド材作製用の2種類の双ロールキャスターを開発しました.一つは,複数の縦型高速双ロールキャスターを利用する縦型タンデム双ロールキャスターです.他は,スクレイパーを縦型双ロールキャスターまたは異形双ロール装着する方式です.スクレイパーを使用する方式は,Al-Mg合金やMg合金などの熱間圧延ではクラッド材の作製が容易ではない,または不可能な合金のクラッド材の作製も可能です.

桑原 一成

高精度ノッキング予測モデルの開発

数値的検討により新たなエンジン技術の開発を加速することが求められている。数千の化学種と数千の素反応から構成される詳細反応モデルが記述するガソリンの着火遅れ時間の温度・圧力・当量比・EGR依存性をわずか五つの式により誤差10 %以内という高精度で再現可能な方法を確立した。この着火遅れ時間総括式を用い、最も簡素な着火予測モデルとして普及しているLivengood-Wu積分を遡り型で行うという新たな発想により、高汎用性、高精度、低計算負荷を極めて高いレベルで並立させたガソリン着火予測モデル(ノッキング予測モデル)を確立した。このモデルを天然ガス、水素、アンモニアなどの新燃料の着火予測に拡張することにより、これらの燃料を用いた新世代エンジンの開発に大きく貢献可能であると考える。

西川 出

デジタル画像相関法によるき裂・欠陥の非破壊検査

負荷を受ける部材の表面画像を2枚(時間差1秒程で2枚撮影する)利用して、表面のひずみ分布を非接触で評価するデジタル画像相関法を援用することにより、変位・ひずみの評価システムを構築した。さらにこれを発展させ、き裂や欠陥に生じる特有のひずみ場を利用することにより、き裂・欠陥の有無は言うに及ばず、き裂周りの応力や応力拡大係数さらにはJ積分といった破壊力学パラメータを高精度に非接触評価できるシステムを開発した。

原口 真

メカトロニクス技術を活用したリハビリテーション機器の開発

メカトロニクス技術や機構設計を活用したリハビリ介助機器を研究開発しています.脊髄損傷者向けの階段昇降可能な車椅子や,高齢者などを対象とした持ち手が移動可能な新型歩行器,起立動作のリハビリ支援装置,免荷式アシストスーツといった,使用者の移動を支援する機器をはじめとして,脳卒中患者向けの上肢リハビリ支援装置や手指リハビリ装具,ALS患者用の下衣着脱システムの開発も行っています.

羽賀 俊雄

通孔ポーラス材の簡単な作製方法

半凝固状態を利用してアルミニウム合金の通孔ポーラス材を簡単・安価に作製することができます.半凝固状態で中子棒を引き抜くだけで,通孔ポーラス材を作製できます.孔形状は例えば“L”字型も可能です.通孔の最小径の実績は0.5mmです.平行な通孔だけではなく,異なる方向の通孔も開けることができます.従来のポーラス材より長い通孔を開けることができます.直径5mmの通孔では長さ500mmの実績があります.

宮部 正洋

数値流体力学(CFD)を用いた最適化設計

数値流体力学(CFD)を用いて最適化設計を行います。設計パラメータの最適な組み合わせを迅速に見つけ出す手法を提案します。手法の検証には3Dプリンタを用いて対象を製作し、性能試験、各種物理量の計測や流れの可視化を行い、現象や勘所を平易に解説します。ライセンスフリーのCFDソフトウェア(OpenFOAM)を用いたコンサルティングも行います。

井原 之敏

多軸制御工作機械の加工精度向上

除去加工を行う工作機械は、機械の精度が悪いと加工方法や工具がどんなに良いものを使用しても加工されたものの精度はよくなりません(母性原理)。しかし、機械そのものの精度はあまり見えてこないのが実情です。特に多軸制御工作機械は機械そのものの精度を検査する方法も定まったものが存在しません。そこで私たちの研究室では機械の運動精度を検査する方法を提案し実施することでまず機械の精度を保証し、そのうえで加工方法について提案を行っています。

吉田 準史

製品音の分析・改善技術

我々の周りには声や楽器、飛行機の音など様々な音があります。同じ音でも心地よい音もあれば騒音もあります。製品音は騒音と捉えられやすい音ですが時には、製品の状態を知る有効な手がかりになります。このことを踏まえ我々は製品音に着目し、その音全てを低減対象とせず、必要な成分と下げるべき成分に分別しようとしています。また下げるべきには、そのメカニズムを的確に把握する技術を構築しています。そして必要な音に対しては、その音を選び出し状態認知を手助けする方法も検討する等、音が持つ可能性を踏まえた技術開発を進めています。

伊與田 宗慶

抵抗発熱を用いた溶接・接合技術

 近年の自動車産業では,車体重量の低減を目的として,車体構造部材に対して強度レベルのが高い高強度鋼板の適用が推進されている.中でも,強度レベルが1000MPaを超える超高強度鋼板が開発され,またその適用が期待される一方で,その接合部において剥離強度である十字引張強さの低下が懸念されている.そこで超高強度鋼板抵抗スポット溶接継手の接合強度向上に寄与する抵抗スポット溶接手法について開発を行った事例を紹介する.

松島 栄次

新しい熱物性値測定法

未来の発電所となる核融合炉では,数十億度の超高温プラズマを閉じ込める構造材料として傾斜機能材料が,宇宙旅行を実現するためのロケットエンジンでは,数千度の燃焼ガスを噴射する構造材料として炭素繊維強化炭素複合材料が開発されています.どちらの材料も,【熱が加えられたとき,どのような応答をするのか?】を調べることが重要です.そこで,伝熱工学研究室では,そのような最先端の材料内を熱が伝わる速さとその測定法を研究しています.