強化学習を用いたロボットの知能化
近年,人工知能・機械学習技術の発展もあり,これらの知能化技術をロボットの環境適応能力や自律性の付与の手段として用いることが期待されています.しかし,強化学習を含む機械学習は,一般的に多くの学習時間を必要とする根本的な問題を抱えています.従って,学習時間を短縮することが,実時間で学習する実ロボットにとって,特に解決すべき重要な課題です.私達は,遺伝的アルゴリズムの概念で説明した学習高速化手法を開発し,より高度なロボットの知能化の実現を目指しています.
ヒトが歩行時に腕振りや体幹捻りを無意識に行う理由は,当たり前のように見えてまだ解明していない問題の一つです.この問題を解決することでヒト,特に高齢者の運動能力の向上だけでなく,ロボットの新しい運動生成方法の提案など,様々な発展が期待できます.本研究ではヒトの上半身を簡単なモデルで表し,腕の前後方向の振りと,それに応じて回転する体幹の捻りが足裏にかかる力にどのような影響を与えるか調べています.調査の結果,腕は前後対象で無く非対称に振ると良いこと,体幹は柔軟性をもって捻ると良いこと,柔らかさを変えることで二足歩行が促進できることが分かってきました.また二脚歩行ロボットを試作し,歩行が可能であることも分かりました.
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