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生きる意味の研究

情報科学部

情報システム学科

倫理学研究室

雨宮徹 教授

哲学生きる意味フランクル

 ニヒリズム(この世界は生きるに値しないという世界観)の克服をテーマに、主にフランクル(V.E.Frankl,1905-1997)の意味の思想の研究を行っている。ユダヤ人であるフランクルは、強制収容所の体験記『夜と霧』によって世界的に有名であるが、精神科医としてニヒリズムの克服を一生のテーマとし続けた人物である。全体像が見えづらく断片的な印象を与えるフランクルの思想を、哲学の立場から体系化し、理解を深め、そこからニヒリズムを克服しうる理論を明確にすることを目的としている。 

          最近の研究

フランクルの図について

 人間は幸福を望み、自己の幸福を追求して生きる傾向にある。しかし、フランクルの理論によれば、自己の幸福を追求すればするほど無意味感にとらわれ、幸福から遠ざかってしまうことになる。彼が導き出し、図式化したこの人間と幸福のカラクリは、後に研究者によって「幸福追求のパラドックス」と名付けられた。

解釈し直された「幸福のパラドックスの図」について

 しかし彼が示した図式では、彼の意味の理論における重要な観点、すなわち人間が世界と意味的な関係を構築するのには、人生の側からの呼びかけに応じるところから始めなければならないという「人生の意味への問いに関するコペルニクス的転回」が十全に表現できているとは言えない。

 そこで「コペルニクス的転」の観点を導入した新しい図式を提示した。この図式によってフランクルの理論の全体像についての理解が、より一層明確になったと思われる。

論文

「V.E.フランクルにおける‘Bei-sein’の概念について」(2002)雨宮徹『倫理学研究』32集p.134-144.

「恋と愛~フランクルの『コペルニクス的転回』を手がかりとして~」(2008)雨宮徹『大阪河﨑リハビリテーション大学紀要』第2巻p.pp.23-37.

「フランクルの「幸福追求のパラドックスの図」の解釈」(2018)雨宮徹『大阪河﨑リハビリテーション大学紀要』第12巻p.15-26.

研究者INFO: 情報科学部 情報システム学科 倫理学研究室 雨宮徹 教授

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佐野 睦夫

葛藤場面でのVRストレスマネジメント・意思決定支援システム

大きなビジネス取引や上司・部下間でのやり取りなど重要な判断を行う場合,葛藤場面が多く存在し,相手を尊重しながら自らの考えを主張するコミュニケーション戦略が要求されるが,ロールプレイによる対人研修では限界がある.本研究では,このような葛藤場面において,VR空間を構築し,ストレスマネジメント・意思決定を支援するシステムを研究開発中している.音声対話などのバーバル行動,視線やジェスチャなどのノンバーバル行動を計測し,行動評価することにより,アドバイスを自動生成し,気づきを与えるトレーニングシステムプラットフォームをすでに開発し,VRアサーティブコミュニケーション訓練システムの評価を行っている.

瀧川 宏樹

英国ヴィクトリア朝の文学作品における男性像の研究

本研究では、英国ヴィクトリア朝の男性表象の探求をテーマとしている。当時、男性は女性と比較して、社会的に優遇された立場にあった。そのため、これまでの研究では、社会的に冷遇されていた女性に焦点を当てたフェミニズム研究が盛んに行われてきた。 ところが、昨今のジェンダー研究においては、社会的に優遇されている男性もまた、社会が求める理想的な男性像に苦悩しているのではないかという視点が確立されている。男女平等を確立し、女性が生きやすい社会を作ることは言うまでもないが、男性も生きやすい社会を目指してこそ、真のジェンダー平等の達成と言える。 ブランウェル・ブロンテの作品における男性表象に着目し、そこから見えてくる理想的な男性像と、ブランウェル・ブロンテが実人生で直面した現実の男性の生き様との間の齟齬を探りだすのが、本研究の目標である。

尾花 将輝

システムログを用いた障害検出のためのログリプレイヤの開発の試み

近年のシステムは様々なサーバ,ネットワーク機器,アプリケーション等のソフトウェアとインフラストラクチャ(インフラ),ままたはクラウドサービスが複雑さに関係しあうシステムが多い.このように複雑化する一方で,ソフトウェア,またはインフラ,クラウド等を環境に合わせて正常に設定する必要がある.しかし,設定項目が多すぎるため,設定ミスによる障害の発生や,更にどの機器に原因が発生したのかがわからない上に特定する事には多大なコストがかかる.複雑なシステムの障害を検出するための第1段階としてソフトとインフラをシームレスにリプレイするログリプレイヤのプロトタイプを開発した

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坂平 文博

テキストアナリティクスによるカスケード災害の分析・評価

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マルチコアCPUの性能を最大限に活用してプログラムを高速実行するためには並列プログラムを作成する必要がある。しかし、一般に並列プログラミングの学習は初学者にとっては容易ではない。その理由として、数値計算問題を題材とすること、および大規模な計算でない限り並列化の効果を実感できないことから、初学者の興味を維持しにくいことが考えらえる。本研究では並列化の効果を体感しやすく、かつ、平易な教材を扱える並列プログラミングの学習環境としてProcessing言語を用いた図形アニメーションプログラムのための並列化フレームワークを提案する。

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私の研究テーマは、ドイツの哲学者イマヌエル・カント(1724-1804)の思想究明である。カントの著作は数多くあるが、カント哲学の代名詞とも言える「批判哲学」の主著と目される『純粋理性批判』は、まず理解しなければならないものである。しかし、それだけではカントの思想の全体像は浮かび上がってこない。 そこで、近年はカントが最晩年に書き残した『オプス・ポストゥムム』(ラテン語で「最後の作品」という意味)と呼ばれる草稿と『純粋理性批判』やカントの他の諸著作、および初期ドイツ観念論との関係を解明するための研究を行っている。

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容易に構築できる球面ディスプレイ環境

球面型没入ディスプレイ環境構築をサポートするシミュレータを開発した.球面ディスプレイを作る際には,ドームスクリーンへの特殊な歪み補正を考慮した投影系の光学設計を行う必要がある.しかし,実際に製作される光学系はシミュレーション通りの精度が保証されるわけではない.使用する際に改めて光学系の微調整が必要となる.本研究では,投影系の光学設計と同時に,光学系の微調整や歪み補正が実行可能な投影シミュレータを開発している.

大井 翔

日常行動からの認知機能の評価方法に関する研究

高次脳機能障がい者に対するリハビリテーションにおいて,“気づき”を与えることは重要な課題であります.“気づき”を与えるためには,自身の体験映像と現状の認知状態を定量的にした点数を振り返る必要があります.しかし,従来の認知状態を把握するためにはBADSやD-CATと呼ばれる検査キットで把握するため,リアルタイムな状態を把握することが困難で,毎日検査キットを利用することは難しいです.本研究では,日常行動(調理や掃除など)から認知状態を把握する指標を提案し,リアルタイムかつ日々の認知状態の取得を目的として研究しています.

平山 亮

視覚障害者の映画鑑賞のための骨伝導ヘッドフォンによる音声ガイド配信

視覚障害者が映画鑑賞するとき,セリフとセリフの間に説明音声が流れる音声ガイドをヘッドフォンで聴取する方法が主流であるが、ヘッドフォンで耳を塞いでしまうため、映画館のマルチチャンネル臨場感音声を楽しめないという問題があった。そこで、音声ガイドを耳を塞がない骨伝導ヘッドフォンで聞き、映画館の臨場感音声は直接耳で聞くシステムを開発した。

塚本 勝俊

電波を効率よく利用するヘテロジニアスワイヤレスシステム

Beyond 5Gなどの将来のワイヤレスアクセスネットワークにおけるフロントホールの課題に、無線アクセス区間の広帯域化に伴うMIMOアンテナ数の増加やIoT基盤への応用に起因したフロントホール伝送容量の増大、 一層のスモールセル化に伴って発生する膨大な数のDU(分散無線ユニット)を有する基地局設備の設置、それらへのフロントホールリンク数の増大がある。これらに対する一つの解決策となるのが光ファイバの中に様々な電波に対して透明な自由空間を提供するRoF (Radio over Fiber) ネットワークである。RoFを用いることによってヘテロジニアスワイヤレスに汎用的に使用できるフロントホールと基地局が実現できる。また分散アンテナシステムの構築も容易となる。本シーズでは、RoFによる分散アンテナシステムを紹介し、それを用いた位置検出システムへの取り組みについて述べる。

平 博順

深層学習を用いた機械読解技術

私たちの研究室では、英語の入試問題などを題材にして機械読解技術の精度向上に取り組んでいます。最新の深層学習(ディープラーニング)手法を用いることで、従来の単語レベルの解析から文章レベルへの解析が可能となり、読解精度が向上しました。

林 茂樹

知的財産学部・大学院シーズ一覧

本学部・大学院では、教育のみならず知的財産活用の普及を目指し、日々研究活動を進めています。起業や新規市場参入などビジネスアクションを起こすための指標のひとつとして、知的財産の知識・情報を活用するための知見・ノウハウが有効です。これから知財を活用してみたい、知りたいという方々に対しても、教育・研究機関として知的財産活用の裾野を拡げます。

加瀬 渡

インタラクタを用いた線形制御系の解析・設計

追従制御系を構成する際、制御対象の伝達関数に対して、その逆数を前置補償器として用いる方法が考えられる。この補償器は微分器を含み、その部分をインタラクタという。一入出力系では、インタラクタは伝達関数の相対次数を有する多項式とすればよい。しかし、多入出力系においてはインタラクタは多項式を要素とする行列になり、伝達関数の相対次数以外に、そのパラメータにも依存するため導出も難しい。本研究では、出力数が入力数よりも多い系に対してインタラクタに関連する様々な問題、例えば特異な重みを有するLQ問題の解の陽表現、最大非可観測化問題、状態フィードバックにより逆インタラクタ化、不変零点の計算法などを考える。特にLQ問題に関しては、特殊な重みを用いることによりRiccati方程式の解が容易に得られるのであるが、その解法を(インタラクタと直接関係はないが)状態フィードバックによる有限整定制御に応用できる。

平嶋 洋一

港湾荷役のための小さなAI

近年,港湾のコンテナ移動を考慮した物流システムの重要性が増している.国際物流上のコンテナは殆どが海上輸送を経由するため,港湾で陸送が可能な輸送手段との間でコンテナの積替えを行う必要がある.積替えには,コンテナの配置や移動順序の複雑な調整を含み,コンテナ取扱数の増加とともに物流のボトルネックとなりつつある.本シーズでは複数の学習モデルを接続可能な強化学習法を提案して港湾の大規模物流問題を解決する.

鎌野 健

大野関数の解析的性質について

画像の関数を大野関数といい,互いに双対なインデックスに対する大野関数は,複素関数として等しいことが知られている.特に0以上の整数点での値を考えると多重ゼータ値の理論における大野関係式が導かれるため,それは大野関係式を補完したものであるといえる.本研究では,大野関数が積分表示を持つことを示し,それにより大野関係式の補間の別証明を与えた.

尾崎 敦夫

意思決定支援向けAI・マルチエージェント・モデリング&シミュレーション技術

近年、交通・監視・管制・指揮等の分野では、AI(人工知能)技術の適用により、システムの自動化・高性能化が推進されています。このようなシステムでは、現況を正確に「認識」し、次に起こる状況を高速に「予測」して、「実行」に移すことが求められています。しかし、危機管理などのミッションクリティカルなシステムでは、「実行」(意思決定)までを全てAIに託すには多くの技術的・運用的課題があります。このため、このようなシステムでの意思決定を支援するための研究開発に挑んでいます。

Mellor Andrew

Learning New Vocabulary

Students of English need to learn a lot of vocabulary. To be successful, they need to decide what vocabulary items to learn. As they choose which vocabulary items to study, considering the frequency of the vocabulary items in general use may be useful as well thinking about their own personal needs. They also need to decide which aspects of those vocabulary items to learn. and how to learn those vocabulary items. There are many aspects involved in learning vocabulary items related to form, meaning and use. Also they need to decide how to study vocabulary. This may include questions as to whether to learn items in isolation or context, whether to learn in semantic groups and how to reinforce and review learning.

井垣 宏

リモート環境におけるチーム開発のためのモブプログラミング支援システムの検討

複数人でソフトウェア開発を行う手法の一つとして,モブプログラミングやペアプログラミングといったというものがある.モブプログラミングでは,開発者らは端末を操作するドライバと開発画面を見ながら意見を出してドライバをサポートするナビゲータと呼ばれる役割に分かれ,役割を短時間で交代しながら開発を進めていく. 本研究室では,コロナ禍の現状を受けて,このモブプログラミングをリモート環境で実施している.実際に対面からリモート環境に移行するにあたり,引き継ぎ作業や開発者間のコミュニケーションにおいて課題が有ることがわかった.そこで本研究では,モブプログラミングのそれぞれの役割に特化した支援を目的としたビデオ会議システムの開発を目指していく.

西口 敏司

深層学習を用いた物体領域推定のための学習データの生成支援

深層学習を用いたセグメンテーションのための学習では,物体が写っている画像を物体毎に数百枚から数千枚用意し,画像に写っている物体の輪郭情報を人手でアノテーションする必要があり,労力やコストがかかるという問題がある.一方,RGB-Dカメラは各画素に対応する距離に関する情報も同時に獲得できるカメラである.本研究では,深層学習を用いた物体領域推定(セグメンテーション)のための学習に必要な物体の輪郭情報をRGB-Dカメラを用いて人手によらずに高速に獲得する手法を開発した.

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