SDGsの分類 研究テーマ 人文学 学科の分類 工学部総合人間学系教室 認知言語学的手法を応用した英語前置詞教材の開発 工学部 総合人間学系教室 辻本智子 教授 前置詞認知言語学アニメーション 英語習得において、しばしば躓きの原因となる多義語の前置詞であり、また認知言語学における多義語研究が前置詞に関して最も進んでいることから、認知言語学の知見を生かした中学生向けオンライン教材『アニメで学ぶ 英語前置詞ネットワーク辞典』を開発した。認知言語学で言う「スキーマ図」のアニメ化がポイントである。 研究の背景と記述方針 本研究の土台となるのは、メタファー・メトニミー・シネクドキという3種の意義展開パタンにもとづいて意味ネットワーク全体を捉え、多義語の包括的記述を試みる意味ネットワーク記述による多義語研究である。専門用語を使わずに意味ネットワーク記述のエッセンスを維持するため、色使いに意味を持たせる。スキーマ図をアニメ化するにあたり、ランドマークにあたる要素を「赤」、トラジェクターにあたる要素を「青」で示し、その意味するところを「緑」で表し、すべてのアニメにおいて、この色使いを統一することで、言語的な解説によらず、意義と意義との類似性・関連性を体感できる工夫を施している。 具体例 across 1〈場所〉を横切って 2〈場所〉を横切った形で 3〈場所〉を横切ったところに 4〈場所〉のいたるところに たとえば、2のサムネイルをクリックすると画面右にアニメが再生され、その下に例文が表示される。アニメ化によって「動き」の要素が加わり、従来のスキーマ図では表現しきれなかった側面が表現可能になった。 たとえば1と3の違いは中学生には難しい。だが1の基本のアニメに眼球を加え、視線をアニメ的な動きで表すことによって、2つの語義の類似点と相違点をわかりやすく表現することが可能となった。前置詞の各意義のつながりに関して、言語的にではなく、体感的に理解を促すことができる。 研究者INFO: 工学部 総合人間学系教室 辻本智子 教授 研究シーズ・教員に対しての問合せや相談事項はこちら 技術相談申込フォーム
大森 勇門 川上村の微生物資源を利用した食品開発 水源地の森を始めとする豊かな自然に囲まれた奈良県川上村。川上村の植物や土壌、それから家庭のぬか床などから酵母や乳酸菌など、食品への応用が期待できる微生物の単離を行っています。これまでに11種の酵母、15種の乳酸菌を単離しており、現在はこれら単離した微生物資源をパンやヨーグルトの製造へ応用するべく、機能解析を進めています。
神田 智子 ユーザの視線行動に適応した エージェントの視線行動の開発と評価 シャイな人間は対話相手の視線に敏感であり,注視されることを嫌うということが示されている.本研究は実験参加者の視線行動に適応するエージェントの視線行動の開発と評価を目的とする.具体的には,対話中のユーザの視線行動をアイトラッカーで取得し,過去15秒間にユーザがエージェントの目を注視していた割合を基に対話エージェントがユーザの目を注視する割合を適応させ,ユーザと類似した凝視量を保ちながら視線行動をとる対話エージェントを開発した.評価実験では,シャイなユーザグループに対話のストレスの軽減効果および対話エージェントへの親近感の向上効果が見られた.
平山 亮 視覚障害者の映画鑑賞のための骨伝導ヘッドフォンによる音声ガイド配信 視覚障害者が映画鑑賞するとき,セリフとセリフの間に説明音声が流れる音声ガイドをヘッドフォンで聴取する方法が主流であるが、ヘッドフォンで耳を塞いでしまうため、映画館のマルチチャンネル臨場感音声を楽しめないという問題があった。そこで、音声ガイドを耳を塞がない骨伝導ヘッドフォンで聞き、映画館の臨場感音声は直接耳で聞くシステムを開発した。
伊與田 宗慶 抵抗発熱を用いた溶接・接合技術 近年の自動車産業では,車体重量の低減を目的として,車体構造部材に対して強度レベルのが高い高強度鋼板の適用が推進されている.中でも,強度レベルが1000MPaを超える超高強度鋼板が開発され,またその適用が期待される一方で,その接合部において剥離強度である十字引張強さの低下が懸念されている.そこで超高強度鋼板抵抗スポット溶接継手の接合強度向上に寄与する抵抗スポット溶接手法について開発を行った事例を紹介する.
宮部 正洋 数値流体力学(CFD)を用いた最適化設計 数値流体力学(CFD)を用いて最適化設計を行います。設計パラメータの最適な組み合わせを迅速に見つけ出す手法を提案します。手法の検証には3Dプリンタを用いて対象を製作し、性能試験、各種物理量の計測や流れの可視化を行い、現象や勘所を平易に解説します。ライセンスフリーのCFDソフトウェア(OpenFOAM)を用いたコンサルティングも行います。
古樋 直己 映画・洋楽の英語教育への活用 英語の運用能力向上には、英語に接する時間の増加が必須である。たしかに、学習時間の増加がそのまま英語運用能力の向上につながるとも限らない。しかし,学習量を増やすことは不可欠である。これには、苦にせず接することができる素材が必要となる。元来、娯楽用に制作された映画や洋楽は、楽しみながら本物の英語に接することができるという点で優れている。ただ、本物であるからこそ、学校の英語との橋渡しの工夫が必要となってくる。
石道 峰典 アクアポリン4による水分代謝を制御して骨格筋を元気にしよう! 骨格筋は水分含有量が約8割であり、水分を豊富に含んだ組織です。骨格筋を構成する筋線維(筋細胞)でのスムーズな水分代謝により筋の恒常性が保たれることから、骨格筋における水分代謝を制御する水分子輸送機構は、健康的で活動的な日常生活を維持するうえでも非常に重要となります。 現在、本研究室では、骨格筋における筋機能の維持・改善やサルコペニア予防など目的に応じた水分代謝の制御を実現するために、水分子輸送機構の主要タンパク質の1つであるアクアポリン4 (AQP4)の生理学的特性の利用法の開発を目指しています。
吉田 恵一郎 誘電体を用いたすすの静電捕集とプラズマ分解 エンジン等の燃焼排ガスに含まれる「すす」を除去するには,多孔質セラミックのフィルタが用いらせますが,すすの蓄積とともに圧力損失が上昇します. 一方,静電集じん技術は,帯電させた微粒子を静電引力で気流から取り除くため圧力損失が極めて低いものの,導電性の高いすすの場合,再飛散しやすいという問題があります. 本申請技術は,コレクター部に誘電体を用いることで,フィルタレスで高効率に集塵を行い,同時に,誘電体上で低温プラズマによって酸化分解まで行うことが可能です.
羽賀 俊雄 クラッド材の作製用双ロールキャスター 世界に先駆けて開発したクラッド材作製用の2種類の双ロールキャスターを開発しました.一つは,複数の縦型高速双ロールキャスターを利用する縦型タンデム双ロールキャスターです.他は,スクレイパーを縦型双ロールキャスターまたは異形双ロール装着する方式です.スクレイパーを使用する方式は,Al-Mg合金やMg合金などの熱間圧延ではクラッド材の作製が容易ではない,または不可能な合金のクラッド材の作製も可能です.
重弘 裕二 超大規模組合せ最適化問題に対する新解法の提案 設計、割り当て、スケジューリング等、様々な問題は組合せ最適化問題として定式化できる。しかし、実応用において厳密に最適な解を求めるのが不可能な場合も多い。そのような状況においても可能な限り良質な解を探索するために、これまでにも遺伝的アルゴリズムのような手法が提案されているが、万能ではない。本研究では、特に超大規模な組合せ最適化問題を対象とし、確率論、統計論的な観点から、最適と考えられる方法を追究している。
川田 進 アジアの宗教紛争・民族問題と安全保障 1991年以降、中国、インド、ネパール、ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム等で、宗教問題や民族紛争に関する現地調査を継続してきた。主要なテーマは「チベット問題」と「イスラーム紛争」である。「宗教NGO」という視点から、穏健な「宗教ネットワーク」「民族コミュニティ」形成の糸口を明示し、紛争解決の有効な方策を提示する。日本社会が抱える弱点の一つは、「民族問題やイスラーム社会への理解不足」である。一連の研究が、テロ事件の背景や海外在住邦人の安全確保など、日本の安全保障及び民間企業・個人が海外で活動する際の安全確保に資することを目指す。
長田 昭義 定在波音場(音響放射圧)を用いた微粒子捕捉装置の開発 大気中に浮遊する種々の微粒子の粒径・形状の識別および空間分布特性をその場観測して、各地域の発生源からの拡散・輸送現象を解明して環境問題の解決策に繋げる計測技術の確立を目的に、定在波音場(音響放射圧)を用いた微粒子捕捉装置の開発を行っています。
杉本 賢二 夜間光データを用いた人間活動の把握 covid-19の世界的大流行により,各地で人々の移動や行動が制限されている.本研究では,人工衛星により観測された夜間における地表面の輝度を表す夜間光データを用いて,施設別に感染拡大前後の輝度変化率を算出した.夜間の輝度は社会経済活動と密接な関係があることから,輝度の変化によって影響度合いを把握できる.その結果,東京都では輝度が減少した地域が多い一方で,大阪府や愛知県では増加しているなど,西高東低となる地域的な偏りが顕著となった.また,すべての施設で輝度が減少した割合が多く,covid-19による様々な萎縮が広範に及んでいることを明らかにした.
加瀬 渡 インタラクタを用いた線形制御系の解析・設計 追従制御系を構成する際、制御対象の伝達関数に対して、その逆数を前置補償器として用いる方法が考えられる。この補償器は微分器を含み、その部分をインタラクタという。一入出力系では、インタラクタは伝達関数の相対次数を有する多項式とすればよい。しかし、多入出力系においてはインタラクタは多項式を要素とする行列になり、伝達関数の相対次数以外に、そのパラメータにも依存するため導出も難しい。本研究では、出力数が入力数よりも多い系に対してインタラクタに関連する様々な問題、例えば特異な重みを有するLQ問題の解の陽表現、最大非可観測化問題、状態フィードバックにより逆インタラクタ化、不変零点の計算法などを考える。特にLQ問題に関しては、特殊な重みを用いることによりRiccati方程式の解が容易に得られるのであるが、その解法を(インタラクタと直接関係はないが)状態フィードバックによる有限整定制御に応用できる。
加賀田 翔 光音響法を利用した熱的性質の計測技術の開発 近年、エネルギーの有効利用がますます重要さを増しています。エネルギーの変換効率の改善や運転効率の向上には伝熱現象の正確な把握が必要です。また工業製品だけでなく人間も体温を保つ為に発熱し、体内で熱移動が起こり、周囲の環境と常に熱の授受を行っています。最近では人体と外部環境との熱の授受を解明し、温熱環境下における人体の快適性を定量的に評価する試みも行われています。あらゆる場面で生じる伝熱現象を正確に把握するには、対象物の熱的性質を定量的に知る事が必要です。当研究室では光熱変換法の1つである光音響法を利用し、非破壊で迅速、かつ簡便な熱的性質の計測技術の開発に取り組んでいます。
田岡 育恵 オクシモロンの謎―意味の矛盾と伝達効果 オクシモロンとは「小さな巨人」のように反対の意味が同じ対象に適用されるレトリックである.「小さくて大きいものは何だ?」とすれば「なぞなぞ」にもなり得るが,字義通りに考えれば反対語が共起しているのだから矛盾することになる.しかし,実際には意味解釈に支障は来さない.それどころかこのレトリックならではの伝達効果がある.オクシモロンの構造,伝達効果は私の研究テーマの一つである.
林 茂樹 知的財産学部・大学院シーズ一覧 本学部・大学院では、教育のみならず知的財産活用の普及を目指し、日々研究活動を進めています。起業や新規市場参入などビジネスアクションを起こすための指標のひとつとして、知的財産の知識・情報を活用するための知見・ノウハウが有効です。これから知財を活用してみたい、知りたいという方々に対しても、教育・研究機関として知的財産活用の裾野を拡げます。
渡辺 信久 安全な電力実習装置 脱炭素、再生可能エネルギーが必要です。太陽光発電や風力発電を普及させる必要があります。電力系統に接続し、安定電力を供給するためには、環境技術者が学ぶ実習装置が必要です。結線方法と負荷の関係、発電機の特性など、人力発電で安全に、体感できるものを開発しました。最初は、イベント用として、「人力発電テレビ (リキテレ)」として作ったものですが、工学技術者育成にとても有用なので、出展しました。
林 暁光 高力ボルトを用いた鉄骨部材接合部の性能評価 従来の鉄骨構造の接合部設計では、剛接合とピン接合のどちらかで設計されている。本研究は高力ボルトと接合金物を用いた接合部の実態を剛接合でもピン接合でもないグレーゾーンの接合部として捉え、ありのままの姿で半剛半強の接合として検討している。具体的には耐震設計で必要とされている接合部力学性能指標のうち、接合部の初期剛性や耐力、復元力履歴特性およびエネルギー吸収能力の評価精度の向上を目指している。