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ホーム人と共存可能なマイコン制御高輝度多色LED照射型植物工場の開発
SDGsの分類
研究テーマ
エネルギー・環境ものづくり・製造技術
学科の分類
工学部電子情報システム工学科

人と共存可能なマイコン制御高輝度多色LED照射型植物工場の開発

工学部

電子情報システム工学科

マイコンシステム研究室

淀徳男 教授

多色LEDマイコン植物工場

将来の世界人口予測から40年後の2060年には世界の人口は100億人を突破すると予想される。100億人を越えると今の食糧生産事情では、全ての食糧を賄うことは不可能であると考えられる。特に日本では各国と比べて38%という食糧自給率の低さから将来の食糧問題は熾烈となる。また、さらに温暖化から、通常の屋外での農作物の生産力は低下することから、屋内での高効率の農業生産技術、特に人と共存可能な高生産力の植物工場が必要となる。

本研究の背景

①将来の世界人口の予測が引き起こす食糧問題:

 図1に将来の世界人口予測を示す。これによると40年後の2060年までに世界の人口は100億人を突破すると予想される。世界人口が100億人を越えると今の食糧生産事情では、全ての食糧を賄うことは不可能であると考えられている。

 2060年には今の1.3倍の食糧が必要と試算される。

 世界中で餓死者の急激な増加、厳しい食糧の奪い合い、及び世情の急激な悪化が引き起こされる。

 

②日本の自給率低下が引き起こす食糧問題の加速:

 図2は日本と諸外国の食糧自給率を比較したデータである。図から明らかなように、カロリーベースで38%であり、諸外国からの輸入に頼っている現状にあり、年々低下している。

 世界の食糧事情より、日本の食糧事情の方が厳しい!

 2060年、日本の人口は26%減少するが、現在のように農作物の輸入は可能か? 

温暖化の影響

 温暖化が農作物の生長の適温外に気温を上昇させている。

 図3は野菜や果実の生長、図4は稲の生長の適温を示す。共に35度が最高限界気温である。急激に温暖化が進む(35度以上の猛暑日)と生産が急激に抑制される。 

 図5は日本の2014年までの年間の猛暑日の変化を示しているが、確実に増加傾向にあり、現在2020年の東京都心では過去最多の10日を記録している。

 また、温暖化は気候変更に大きな影響を及ぼす。スーパ台風の発生が頻繁となり、国土に高潮・洪水・土砂崩れを引き起こし、農作物の生産に致命的な被害を及ぼす。

将来、屋外での農業は困難になるだろう

         ↓

         屋内で人間と共存可能な植物工場の提案           

人間と共存可能な植物工場

①達成目標とする項目

 ・栽培に手間がかからず、短期間で栽培から、収穫が可能である。

 ・栽培面積が少なくても高生長速度であり、高収量効率である。  → 実用的家庭栽培が可能となる。

 ・衛生的で農薬は不要で安全であり、かつ新鮮な食材が得られる。家庭用も含めて装置がコンパクトである必要がある。

 ・天候に影響を受けず、収穫量が一定であること。温暖化に依存しない。  → 家のエアコンの快適な温度で人と植物が共存できる。

  

②方法

 1.栽培の方法

  土耕栽培—手間と熟練、経験が必要。不衛生。→ 素人でもできる水耕栽培。土を使わないので衛生的。害虫はほぼ0である。

 2.光の質

  太陽—無料。質は優れているが、光量は気まぐれに激しく変化する。→ 高輝度LEDを使う。光の質には大きな問題がある。      

                     ↓                 

                  多色LEDの使用

 3.光、培養液(水)、風、時間の制御

  ポンプ、ファン、ウレタン、安価なマイコンで光源や電子機器の制御を使う。—Ardinoやラズベリーパイなど

 4.温度の制御

  人との共存共栄として家庭用エアコンを共用する。

  

装置システムの概要1

1.LED光源について 

単色LEDより、白色LEDが栽培には適していた。しかし、太陽光と比べるとさらなる改善が必要!

                  ↓        

              多色LED光源の製作

          白色LEDだけより、約2倍の収穫量アップ!

3.2g/(月・cm2) → 同条件の太陽光では1.2~1.9g /(月・cm2 ) (栽培面積が64cm2の場合)

装置システムの概要2

1.1 光の質について

同じ白色でも太陽とLEDでは光の質は全く異なる

(i)太陽の光スペクトルは幅広く色々な成分の波長を有している。

(ii)白色LEDは青色のスペクトル成分は鋭く強いが、緑や赤の成分を幅広く含んでいるが光の強度自体は弱い。

(iii)白色LEDと違い、太陽光では晴天の日だけではなく、雨、曇りの日も有り、予測できない。

                ↓

 栽培・収穫を安定化させるには、人工光でかつ、光源スペクトルの最適化が必要である!!

2.LED光源の光量とファンによる風量制御

・白色LED:Arduinoで時刻と共に各LEDの光強度を変化させる

・ファン:ラズベリーパイを用いたPWM制御 → カビの発生を有効に抑える

3.培養液の供給制御(大豆栽培の例)

・培養液の供給はポンプ:Arduinoを用いたPWM制御

・真ん中の図は、本植物工場での実際の大豆栽培の様子

・下図は収穫した大豆とその重量

栽培結果と評価1

①水菜栽培比較:太陽と多色LED光源の違い  300時間栽培一定、気温23度一定

結論: 光源スペクトルの質によって、栽培の形態が大きく異なる。太陽の質が一番優れていると考えられる。  太陽は光強度が弱くても植物の茎が強く、しなやかで根の成長も早い。

栽培結果と評価2

②水菜栽培の多色LEDのスペクトルによる違い:栽培面積300cm2、気温23度一定下 

結論: 多色光源スペクトルの光の質によっては、気まぐれな太陽光よりも収穫効率は一定で安定で有り、大幅に向上することがわかった。

栽培結果と評価3

レタスL-113 栽培の多色LED光源のスペクトルによる違い:栽培面積280cm2、気温23度一定下

結論:光源は光の強度だけで無く、光の質が最も重要であることがわかった。

論文

「Proposal of wavelength-dependent photosynthetic photon flux density (WD-PPFD) using Si-photodiode and influences of WD-PPFD on growth of ‘Mizuna’ (Brassica rapa L. Japonica) using high-efficiency power LEDs in plant factory」(2014)YodoTokuo『ICPF 2014 』P8p.31.

研究者INFO: 工学部 電子情報システム工学科 マイコンシステム研究室 淀徳男 教授

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