渦鞭毛藻シスト(休眠胞子)を中心としたパリノモルフ群集の研究
沿岸海洋表層堆積物には無数の生物起源物質が含まれているが,その中で単細胞の藻類である渦鞭毛藻はその休眠胞子(シスト)を堆積物中に残すことがある.そのため,堆積物中からそれらを抽出,分析することにより赤潮・貝毒予測をはじめ様々な情報を引き出せる.また,その堆積物から同時に産出するパリノモルフと呼ばれる多様な有機質の生物遺骸群集の存在も注目される.渦鞭毛藻シスト研究から派生的に生まれた分野とも言え,未解明の部分も多いが将来的には環境解析のツールとして利用できる可能性を秘めている.
論文
「渦鞭毛藻シスト群集による中海上部完新統の古環境分析」(1996)小島夏彦『Laguna』No.3p.41-48.
「Vertical and horizontal distributions of ellipsoidal Alexandrium (Dinophyceae) cysts in coastal sediment with special reference to paralytic shellfish poisoning caused by tsunamis -a case study of Osaka Bay (Japan) and the southern coast of the Korean Peninsula」(2019)MatsuokaKazumi『Korean Journal of Environmental Biology』37(3)p.268-277.