研究テーマの分類 - ライフサイエンス

24件の研究シーズが見つかりました

芦高 恵美子

神経障害性疼痛治療薬の開発

神経障害性疼痛は、糖尿病、癌、脊髄損傷に伴い、末梢神経系や中枢神経系の損傷や機能障害によって引き起こされる。痛覚過敏、本来痛みと感じない「触る」などの刺激が痛みとなるアロディニア(異痛症)、自発痛が見られる。非ステロイド性抗炎症薬やモルヒネなどの麻薬性鎮痛薬でも著効しない難治性の慢性疼痛である。神経ペプチド・ノシスタチン誘導体が経口投与で鎮痛作用をもつことを明らかにした。また、遺伝性結合組織疾患のエーラス・ダンロス症候群の慢性疼痛マウスモデルを確立した。

舩本 誠一

医療素材を作製するために必要な色々な技術開発

医療用素材の中で特に移植や生体と接触する生体材料において、動物の組織を利用するための加工技術として脱細胞化技術が近年注目されています。脱細胞化された生体組織は様々な場所で用いられています。加えて、組織の保存法やこの組織を異所性に用いることで得られる有効性などを引き出すための組織の加工技術など周辺技術の開発もまた盛んにおこなわれております。

井上 裕美子

VR空間における位置把握と視線との関係

 道に迷いやすい人と,1度で道順を覚えて目的地に移動できる人がいる.道に迷わない空間把握能力の高い人は,実空間においても,VR空間においても,同じように目的地まで迷わず行ける傾向がある.このような人は,どのように視覚情報を得て,道順を記憶し,移動しているのだろうか.これまでの研究で,この点について詳細は明らかではない.そこで本研究では,看板等のある都市部の街並みを模したVR空間内を移動し,目的地まで到達する間の視線を検討した.また,心理的指標の1つとして,移動中の心拍数の変化についても検討した.将来的には,実空間においても,記憶に残りやすい街並みや,空間を移動しながら行う探索型の教育コンテンツやゲームのVR空間において,迷わず進める空間作りの1つの基礎データとなることを期待し,本研究を行った.

平山 亮

視覚障害者の映画鑑賞のための骨伝導ヘッドフォンによる音声ガイド配信

視覚障害者が映画鑑賞するとき,セリフとセリフの間に説明音声が流れる音声ガイドをヘッドフォンで聴取する方法が主流であるが、ヘッドフォンで耳を塞いでしまうため、映画館のマルチチャンネル臨場感音声を楽しめないという問題があった。そこで、音声ガイドを耳を塞がない骨伝導ヘッドフォンで聞き、映画館の臨場感音声は直接耳で聞くシステムを開発した。

宇戸 禎仁

電気探査法による簡易生体インピーダンスCT法の開発

体表面電位分布を計測するために開発した小型電極アレイを用いて,簡単に体内のインピーダンス分布を低侵襲的に計測する技術の開発を行っている。通常のインピーダンスCTのように多数の電極を体表面に配置するのではなく,簡単に着脱が出来る小型電極アレイを計測に用い,地質調査の分野で使用されている電気探査法を利用して内部のインピーダンス分布の再構成を行う。現時点ではまだ,生体の計測には至っていないが,電解液中に導電性ゲルを配置することで人体のインピーダンス分布を模擬し,計測のシミュレーション実験を行っている。また,有限要素法による解析も行い,実験結果と比較を行い,測定精度が分布形状に依存して変化することなどを明らかにしている。

松村 潔

発熱の分子・細胞メカニズムと薬物評価

炎症、感染、脳出血にはしばしば発熱や痛覚過敏がともなう。これらの病態は生体防御としての側面と、増悪因子としての側面があり、適切な制御が望まれる。そのためには、これらの病態の分子・細胞メカニズムを解明することが必要である。本研究室では様々なマウスの発熱モデルを用いて、その分子・細胞メカニズムを研究している。この実験系を用いて、発熱時の病態に対する薬物の効果を評価することもできる。

佐野 睦夫

仮想生活空間認知トレーニング支援システム

本研究では,仮想生活空間認知トレーニング支援システムを提案し,下記の内容を確認した. (1)仮想空間における片づけ行動の振り返りによる認知トレーニングシステムを提案し,健常者に対する実験ではあるが,振り返りありのVR片づけトレーニングシステムは,通常の認知トレーニングと較べて,認知機能を向上させることを確認した. (2)本提案システムは,トレーニングの難易度に応じ,適切なアイテムを設定・追加・削減することにより,認知機能に合わせた段階的な認知トレーニングが実現できる能力を有している.

﨑山 亮一

新規PD液開発ツールの三次元腹膜組織の開発

腹膜は中皮細胞、間質層、基底膜、血管から成りたちます。そこで、本技術は、腹膜を中皮細胞層、間質層、血管内皮層にわけて、それぞれの層を中皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞を用いて作成します。それらを温度感受性培養皿とゼラチン積層化法を用いて、順に積層化することで、体の外で人工腹膜組織を構築します。さらに、腹膜で重要になる溶質の透過や中皮細胞の剥離などをトランスウェルを用いて評価します。 ・通常は1層しか評価できないが、本技術は異なる細胞で3層に積層化した人工腹膜を作成可能 ・積層化した人工腹膜をトランスウェル上に移すことで、溶質透過試験にて腹膜の傷害と溶質透過係数の関係図を作成可能

横山 広充

将来的な地下街デジタルサイネージ構築のための感性評価システムの開発

 本研究は将来的な地下街デジタルサイネージ構築のための感性評価システムの開発を大きな目的としている。具体的には実際の地下空間において被測定者に脳波計を装着した状態でデザインした地図を読図させた上で経路探索実験を実施する。取得した脳波計測データと行動観察調査結果の相関などにより、デザインに関する感性評価システムを開発する。実験では可搬型脳波計を用いる。  開発した感性評価システムは新製品の評価やデジタルサイネージなど各デザイン分野において利用者に求められるデザインの創出に寄与することを目指す。

石道 峰典

生体の筋機能の改善に向けたアクアポリン4による水分代謝の制御法の開発

骨格筋は水分含有量が約8割であり、水分を豊富に含んだ組織です。骨格筋を構成する筋線維(筋細胞)でのスムーズな水分代謝により筋の恒常性が保たれることから、骨格筋における水分代謝を制御する水分子輸送機構は、健康的で活動的な日常生活を維持するうえでも非常に重要となります。 現在、本研究室では、骨格筋における筋機能の維持・改善やサルコペニア予防など目的に応じた水分代謝の制御を実現するために、水分子輸送機構の主要タンパク質の1つであるアクアポリン4 (AQP4)の生理学的特性の利用法の開発を目指しています。

大森 勇門

発酵食品中のアミノ酸分析

アミノ酸にはL体、D体と呼ばれる光学異性体が存在します。長年、我々ヒトはD-アミノ酸を利用しないと考えられてきました。しかし分析技術の発達に伴い、D-アミノ酸がヒトの生体内で重要な機能を有していることが明らかになってきました。またD-アミノ酸を用いて食品の呈味性や生理機能を向上させた商品も開発されています。我々の研究室ではD-アミノ酸の食品利用を目標に、発酵食品や食品に関係する微生物中のアミノ酸解析を進めています。

見市 知昭

コロナ放電を用いた新規な活性酸素種供給法

液面にコロナ放電を照射すると生成した活性酸素種がイオン風によって液中まで輸送されます。現在、我々はこの現象を利用して液中に含まれる有害有機物の分解を行っており、その結果、従来の技術では困難な難分解性物質が分解できることを明らかにしています。また、従来法では利用できてない新たな活性酸素種が本方式では利用できている可能性が実験結果から示唆されました。このユニークな手法を用いて難分解性有機物の分解や溶液の殺菌・消毒を行います。

藤里 俊哉

培養筋肉を用いた健康科学研究

組織工学・再生医療技術を用いて、体の外で骨格筋を作製することに成功しました。 この人工骨格筋は、長さ約15mm、直径約0.5mmと小さなサイズですが、電気刺激によって、人間の筋肉と同様の収縮運動させることができます。 最近、運動が健康に良いのは、骨格筋が作るマイオカインと呼ばれる物質によることが分かってきました。マイオカインは認知症の予防やがん予防にも効果があるとされています。 この人工骨格筋を運動させることでマイオカインをたくさん作らせることが可能だと考えています。

鎌倉 快之

カメラを用いた人の非接触状態計測

カメラの映像から顔や顔のパーツ,身体の動きを検出して生体信号を計測したり,計測した情報を応用するシステムを作成しています.また,計測したデータが,実際のセンサで計測したデータとどのくらい一致するのか,どんな風に違っているのかについて比較,解析しています. カメラを用いたウェアレス(非接触)での計測とその応用について検討しています.

川原 幸一

新規細胞老化抑制剤|アンヒドロフルクトース

正常細胞は一定の分裂・増殖の後に停止する。この現象を細胞老化といい、分裂を停止した細胞を老化細胞という。特徴として、肥大化とsenescence-associated βガラクトシダーゼ(SA-β-gal)活性が見られる。 老化細胞は無害で、がん化もしないと言われていた。最近、老化細胞は炎症性サイトカインを分泌し、臓器・組織機能低下・障害を引き起こし、多様な加齢性疾患をもたらすことが判明した。さらにガン化の誘導にも関与している。 細胞の老化を抑制することは、現在の日本の超高齢社会において重要である。

橘 未都,

安全なダンスの取り組みを目指した基盤構築

ダンスが必須化され,健康増進を目的としダンスが運動手段として取り入れられるようになったことで,日本におけるダンス人口は増加傾向である.しかし,ダンスは長年芸術性を重油視してきたため,として認識されてきたため,医科学的な視点での介入は少なく安全性への配慮はまだ整っていない.また,障害発生の多さはこれまでの研究で明らかになっているにも関わらず,その要因は不明の場合が多い.ダンス動作やダンス受講者の持つ特性を評価し,障害発生状況を調査することで,安全に対する指針や,障害予防の基盤を構築する.

中村 友浩

骨格筋オルガノイドを活用した簡便な筋萎縮モデル

我々の研究グループでは、長期的な培養が可能で成熟度が高く、機能評価が可能なマウス骨格筋細胞のオルガノイド作成に成功しており、この骨格筋オルガノイドの培養中に生じる受動的張力を解放することで簡便に生体と類似した筋委縮誘導できる生体外モデルを開発している。この生体外デバイスを利用し、生体の筋萎縮を模倣することが可能であれば、筋萎縮を改善する創薬および高機能食品の開発が飛躍的に進展すると期待できる。

西脇 雅人

一過性および定期的な運動あるいは食品摂取の臨床試験的側面からの効果検証

一過性(急性の応答)および定期的(慢性の適応)な運動・身体活動の実施、あるいは食品摂取の実施をヒトを対象として実施し、UMIN-CTRなどに臨床試験登録を行った上で効果検証を行える。特に、血圧脈波検査装置を用いた動脈壁硬化度(いわゆる血管年齢)の評価、超音波エコーを用いた血管内皮機能の評価や各部位の血流量・血管径の評価、体格、筋力、柔軟性、歩行能力、有酸素性運動能力(最大酸素摂取量)、最大無酸素性パワーなどの評価、低酸素環境下への応答性と運動実施能力の評価、血中物質濃度(医療従事者との連携)の評価、客観的な身体活動や外出状況の評価が実施できる。

小池 一歩

絹フィブロインで酵素を固定化した拡張ゲート型バイオセンサー

市販MOSFETのゲート端子に絹フィブロインで酵素を包括固定した電極を接続した拡張ゲートFET型バイオセンサーを開発しています。体液に含まれる様々な健康指標マーカを長時間連続モニタリングできれば、病気の予防や早期発見に役立てることが可能です。これまで、拡張ゲート表面に生体適合の絹フィブロインを用いてグルコース酸化酵素を包括固定したところ、以下の結果が得られています。固定化する酵素の種類を選ぶことで検出対象を変えることができるため、本研究のセンサー構成や酵素固定化技術は汎用性が高いといえます。 ①センサーの性能が一ヶ月以上保たれた。 ②繰り返し、かつ、連続動作が可能であった。 ③血中に含まれるグルコースよりも二桁低い濃度(尿や唾液に含まれるグルコースのレベルに対応)を検出可能であった。 ④酵素膜に対してアルコール殺菌や60℃低温殺菌が可能であった。

橋本 渉

容易に構築できる球面ディスプレイ環境

球面型没入ディスプレイ環境構築をサポートするシミュレータを開発した.球面ディスプレイを作る際には,ドームスクリーンへの特殊な歪み補正を考慮した投影系の光学設計を行う必要がある.しかし,実際に製作される光学系はシミュレーション通りの精度が保証されるわけではない.使用する際に改めて光学系の微調整が必要となる.本研究では,投影系の光学設計と同時に,光学系の微調整や歪み補正が実行可能な投影シミュレータを開発している.

外波 弘之

フェノールポリマーの合成とその機能性評価

 近年,酵素触媒をプラスチックなどのポリマー合成に利用する方法が注目されている.これは酵素触媒の有する次のような特徴を活用しよ うというものである.1,高い触媒活性 2,基質特異性 3,生分解性 4,穏和な条件下で機能.本研究では,このような酵素触媒の特徴を活かし,主として西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼ(HRP)を触媒としてフェノール類を重合させる.生成するフェノールポリマーについて,抗酸化性などの機能性評価を行う.