安全なダンスの取り組みを目指した基盤構築

教務部

ランゲージラーニングセンター

未都, 助教

ダンスが必須化され,健康増進を目的としダンスが運動手段として取り入れられるようになったことで,日本におけるダンス人口は増加傾向である.しかし,ダンスは長年芸術性を重油視してきたため,として認識されてきたため,医科学的な視点での介入は少なく安全性への配慮はまだ整っていない.また,障害発生の多さはこれまでの研究で明らかになっているにも関わらず,その要因は不明の場合が多い.ダンス動作やダンス受講者の持つ特性を評価し,障害発生状況を調査することで,安全に対する指針や,障害予防の基盤を構築する.

【背景】

ダンスは音楽と共に身体表現を競う競技であり,体力、筋力、バランス能力、柔軟性などスポーツに必要な要素をすべて含んでいる.ダンスは芸術であると認識されるが故,要求される身体能力は見過ごされがちではあるが,他のスポーツ同等の運動能力を必要とする競技である.しかし,これまでにダンスを定量評価しその動作特性と身体に与える影響を評価した報告はあまり見受けられない.そのため,障害予防を目的とした安全への指針は示されておらず,多くのダンス受講者が障害に悩まされているのが現状である.安全にダンスへ取り組むための指針作成の基礎を提示する.

 

【これまでの研究への取り組み】

ダンスの動作特性およびダンス受講者の身体的特徴,障害発生状況を明らかにし,総合的に検討することで安全にダンスへ取り組むための指針作成の基礎を提示が可能となる.

 

これまでにダンスを対象とし以下の研究を行った

 

  • 下肢挙上動作の動作解析
  • ピラティストレーニングがダンス動作に及ぼす影響の検討
  • ダンス動作測定機器の開発
  • ダンス動作測定機器の有用性の検討
  • MR画像を用いた下肢の筋特性の解明
  • チアリーダーの腰部インナーマッスルの評価
  • 基本動作(ターンアウト)時の下肢に係る負荷の検討
  • ダンス動作時の足圧分布の解明
  • 長母指屈筋腱障害発生状況の調査
  • 熟練ダンサーにおける障害発生状況の調査
ダンス動作測定機器:ローテーショナル ゴニオメーター

【明らかとなっていること】

これまでの研究から,ダンス受講者の多くは理想とされるか可動域を持っておらず,代償運動を行うことでダンス動作を表現していることが認められ,全ての動作の基本となるターンアウト(下肢の外旋)は下肢および腰部に負荷を与えることが示した.また,障害調査から87名中86名のダンス受講者が何らかの障害を下肢に被っており,その47%は足部または足関節に発生していることが明らかとなった.

【今後の活動】

今後は足部に着目し,ダンスの動作特性やダンス受講者の発達特性を解明していく.

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