地震火災に対する建築物の耐火性能
地震直後に発生する火災、いわゆる地震火災に対する建築物の耐火性能を明らかにしておくことは重要である。なぜなら、地震でダメージを受けた建物が補修されることなく火災に遭遇すると、地震によるダメージが無い場合に比べ、耐火性能が低下する可能性があるから、である。鉄骨建物の場合、地震および火災によるダメージの一つとして座屈があり、繰り返し応力履歴(火災時でも皆無ではない)を受けると座屈が発生しやすくなる。繰り返し応力履歴下での座屈には、材料の応力度-ひずみ度関係におけるバウシンガー領域の存在が影響を及ぼす。当研究室では、高温環境下及び高温冷却後の室温環境下における鋼材のバウシンガーモデルの開発に取り組んでいる。