研究テーマの分類 - ものづくり・製造技術

26件の研究シーズが見つかりました

皆川 健多郎

ものづくり人材育成のための教材開発とその検証

生産性向上はモノづくり現場のみならず、多くの現場における喫緊の課題となっている。かつてはこれらの課題に取り組む人材育成は、小集団活動やOJTも含め活発におこなわれていたが、長引く景気低迷、生産の海外移転などにより、近年ではその取り組みは必ずしも十分とは言えない。特にモノづくり現場では人口減少に伴う人手不足、またその対応としての外国人労働者の受け入れなど、生産性向上への対応は急務といえる。本研究代表者は、これまで1,000回を超える製造現場訪問を通じて、現場での実態を把握するとともに、問題解決のための教材開発ならびに教材を活用したセミナーの実施を進めてきた。さらにここにIoTも融合し、さまざまな現場にて自律的に生産性向上を実現する取り組みの推進と、経営工学(管理技術)の普及を目的としている。

川上 雅士

通信機器におけるEMC/PI/SI協調設計手法

 電子機器は不要な電磁波を放射し,他の機器を妨害する可能性がある. このような問題をEMC(Electromagnetic Compatibility)問題と言う.EMC問題を解決することは,安心安全な電磁環境実現のために重要であり,高品質な電子情報化社会の確立への貢献につながる.本研究は,通信機器をターゲットにし,EMC,SI(Signal Integrity),PI(Power Integrity)についても同時に仕様を満足する協調設計手法の構築を行っている.  

吉田 哲

年をとっても同じまちで!

住み続けてきた街で、高齢期にも健康に生活を継続できることは誰しもが望むことである。そのためには特定のだれかに負担が集中したり、補助金頼みの支援では持続的な支援とならない。こうした前提で、1.高齢者の外出支援のための道路沿い私有地へのベンチの設置、2.介護保険外・訪問型日常生活支援の広域・越境提供の研究、などを進めています。中でも1.では2021年度国土交通省令和3年度(第15回)バリアフリー化推進功労者大臣表彰、京都景観賞、景観づくり活動部門:市長賞(令和2・3年度)、日本都市計画学会関西支部、関西まちづくり賞: 奨励賞などを受賞しており、2019年にはロンドンで Urban Design for Elderly Pedestriansと題した事例報告もしています( UCL-Japan Grand Challenges Symposium “Research Development and Innovative Knowledge Transfer to Super-ageing Society”, JANET Forum 2019, 2019.11.5, Embassy of Japan in the UK)。また、2023年度から同じ主旨の他地域の活動と連携を始めており、『まちのベンチ』情報交流会を9/30に京都教育大学で開催する。

藤井 彰彦

一軸掃引塗布プロセスによる太陽電池用ペロブスカイト薄膜の作製

近年太陽電池材料として有望視されている有機無機ハライドペロブスカイトの塗布製膜性に着目し、基板上に直接単結晶薄膜を作製する塗布プロセス技術を検討し、高い光電変換効率を示す太陽電池の開発を行っています。従来製膜法と比較すると、結晶粒径が100倍の100 μmの結晶が育成し、キャリア輸送に有利な結晶軸を面外方向に配向させることができ、太陽電池のエネルギー変換効率と安定性の改善に貢献しています。

寺地 洋之

ものごとの強み弱みと顧客ターゲットに着目したアイデア発想技法

我々が開発した[ニーズデザインメソッド]は「強み・弱みカード」「5x5x2マトリックス」「アレンジカード」「ペルソナシート」の4点を使います。メソッドの進行は大きく2段階に分かれます。まずはものごとの強み・弱みをあきらかにする第1フェーズ、次に第1フェーズであきらかにした強みをさらに強めるアイデア抽出と弱みを反転させて強みに変えるアイデア抽出の第2フェーズです。  KJ法を使った会議などで、無地のカードや付箋を配られて、「思いつくことを書いて」と言われて困ったり、書き出したカードのグルーピングに迷ったことがある人は多いと思います。我々が開発した[ニーズデザインメソッド]は、思考を整理整頓し記述を誘発しやすく、記述漏れがおきないシステムが組み込まれています。そしてアイデア発想が自然に導かれ確実にステップアップするシステムを構築しています。

布施 宏

革新的超薄肉ダイカストヒートシンク

本技術は既存の純アルミのダイカスト技術とは異なり,金型加熱や超高速マシンは不要で「低温・低速充填と指向性凝固並びに剥離現象の促進により純アルミニウムダイカストの肉厚1mm以下の薄肉化へ適応可能」となることを見出しました.純アルミはダイカスト用合金ADC12に比べ湯流れ性が悪く,金型への焼付きが著しいことから技術的に難易度が高かったのですが、従来にはない新しいプロセスで、純アルミの薄肉ダイカスト化が適応可能となります。

外波 弘之

フェノールポリマーの合成とその機能性評価

 近年,酵素触媒をプラスチックなどのポリマー合成に利用する方法が注目されている.これは酵素触媒の有する次のような特徴を活用しよ うというものである.1,高い触媒活性 2,基質特異性 3,生分解性 4,穏和な条件下で機能.本研究では,このような酵素触媒の特徴を活かし,主として西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼ(HRP)を触媒としてフェノール類を重合させる.生成するフェノールポリマーについて,抗酸化性などの機能性評価を行う.

神野 崇馬

電磁ノイズシミュレーター

本研究では、電気回路から発生する電磁ノイズを定量化・可視化するためのシミュレーターを開発しています。汎用的に用いられている回路シミュレーションでは、電磁場や電圧を変数とした解析が行われていますが、本手法はより基本的な物理量である電磁ポテンシャルを用いています。これにより、回路内をノイズ源として伝搬するコモンモードや回路から放射するエネルギーなど、回路内の様々な原因で発生する電磁ノイズを計算することができ、製品開発のより上流で電磁ノイズを考慮した設計が可能になります。

森内 隆代

軟質塩ビおよび可塑剤の新規物性評価法

プロトン核磁気横緩和時間T₂に着目したパルスNMR分光計測法は、1)成形・調整することなく使用できる非破壊検査法であり かつ 2)経時変化も含めて容易に観測できることや、3)どのような形状の複合材料でもそのまま測定可能というこれからの新しい物性評価法に望まれる資質を有している上、4)分子運動性に対応する成分の測定が可能という他の評価法に例を見ない非常に特徴的な物性評価法として期待されています。本研究では、昨今の世界的問題である塩ビ製品中の可塑剤の動的挙動を評価する汎用性の高い物性評価法としての展開を目指しています。

橋本 智昭

融液内対流のモデル予測制御

融液内対流を制御する手法としては,るつぼの回転速度の調整,るつぼ側面の温度調整,磁場の印加などが制御入力の候補として考えられる.融液の対流現象を表現するための基礎方程式として,融液を非圧縮性流体と仮定すると,質量保存則から導かれる連続の式,運動量保存則から導かれるNavier-Stokes方程式,温度の拡散現象を表すエネルギー式,濃度の拡散現象を表す物質拡散方程式が挙げられる.これらの基礎方程式で記述される熱流体システムに対して,モデル予測制御系設計法が確立されている.

谷口 浩成

底背屈と回外内動作を提供する足関節の関節可動域運動支援装置

拘縮とは,関節の柔軟性が失われた状態であり,発症前に予防することが重要である.拘縮の予防方法として,理学療法士による関節可動域(Range of Motion : ROM)訓練が実施される.しかし,高齢者の福祉施設や,通所リハビリテーションの事業所など,介護の分野における理学療法士の不足が指摘されている.そこで本研究室では,理学療法士に代わってROM訓練を行う運動装置の開発を行っている.本研究では,独自に開発した空気圧ソフトアクチュエータを用いることで,足関節のROM訓練やストレッチ運動など多様な動作を実現できるリハビリテーションシステムについて紹介する.本アクチュエータの柔軟性を利用することで,患者に対して安全で予防に必要な多様な動作を提供できる点が特長である.

羽賀 俊雄

高速ロールキャストしたADC12合金の板成形

国内で最も使用量が多いダイカスト用のアルミニウムダイカスト用合金であるADC12は,強度は高いが延性が低く,板成形には使用することは不可能である.ADC12がダイカスト以外にも使用できれば,リサイクルアルミニウム合金の使用範囲を拡大できると考えられる.ADC12の板成形について調査した例は見当たらない.  本研究では,異径双ロールキャスターにより板に鋳造したADC12を使用して,板の成形性を確認した.ADC12の成分の中で延性(板の成形性)を低下させている元素についても調査した

椎原 正次

生産スケジュール改善サイクルの開発

 生産スケジュール改善サイクルは、ロット分割を段階的に進めることにより、段取り回数の増加を抑えつつ良好なスケジュールを得るための仕組みである。ロット分割は、生産スケジュール改善のための有効な手法の一つであるが、分割によってロット数が増えることになる。その結果として、総段取り時間が増加するだけではなく生産統制を複雑にしてしまう。このサイクルは四つのフェーズから構成され、受け入れ可能な生産スケジュールが得られるまで繰り返す。多目的最適化も可能である。

小林 正治

CPMEおよび4-MeTHPの有機合成反応溶媒としての応用

21世紀の有機合成化学産業では地球環境への格段の配慮が求められており、環境負荷の少ない素反応や試薬の開発はもとより、反応装置や実施手順を含めた合成プロセス全体の改良・革新が日々検討されている。反応や精製に用いる「溶媒」も環境に影響を与える重要な因子の一つであり、グリーン基準に適合した溶媒の利用が推奨される。発表者は、産業で利用できる溶媒の選択肢を広げることを目的として、今世紀に開発された日本発の疎水性エーテル系溶剤、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)および4-メチルテトラヒドロピラン(4-MeTHP)の有機合成反応溶媒としての活用を詳細に検討した。

羽賀 俊雄

クラッド材の作製用双ロールキャスター

世界に先駆けて開発したクラッド材作製用の2種類の双ロールキャスターを開発しました.一つは,複数の縦型高速双ロールキャスターを利用する縦型タンデム双ロールキャスターです.他は,スクレイパーを縦型双ロールキャスターまたは異形双ロール装着する方式です.スクレイパーを使用する方式は,Al-Mg合金やMg合金などの熱間圧延ではクラッド材の作製が容易ではない,または不可能な合金のクラッド材の作製も可能です.

寺地 洋之

市民協働型ワークショップをふまえたリノベーションデザインの実践と考察

 大阪府枚方市にある菅原生涯学習市民センター・菅原図書館の1F空きスペースを、企画設計や施工段階で市民が参加し、市民・運営者・設計者などが協働しながら議論や提案を重ね、空間をリノベーションに導いたプロジェクトである。研究室がワークショップをリードするためのコンセプトや設計案を作成し、それをもとに空間の方向性や運営方針を地域の市民と管理運営者などと一緒になって考える市民協働型ワークショップを複数回行いながらデザインした。参加された市民のみなさんは小学生から高齢者まで幅広く、活発な意見交換がなされた。また、木材を積極的に活用することをふまえ、次代を担う小学生とその家族を林業の集積地である奈良県川上村を訪ねて林業体験なども実施した。施工段階でも小学生たちの木材などに接するセルフビルドも行うことで素材や空間への愛着・大切さを体感できる取り組みも行なった。地域の市民にとって、職場でも学校でもない、新しい学びやつながりが体感できる場づくりを目指して、木材をふんだんに使った「コミュニティスペースMOKU(モク)」を完成に導いた。完成後も協働型は維持され、使用方法なども話し合いながら空間の利用が促進されている。この経験をふまえ、2020年にはセンター内の菅原図書館のエントランス部のリフォームデザインの提案依頼を受け、設計第1研究室が設計を行い施工が完了した。コミュニティスペースMOKU(モク)とあわせてこの空間も市民が気軽に立ち寄れ本に出会える新たな場所を創出している。

井原 之敏

多軸制御工作機械の加工精度向上

除去加工を行う工作機械は、機械の精度が悪いと加工方法や工具がどんなに良いものを使用しても加工されたものの精度はよくなりません(母性原理)。しかし、機械そのものの精度はあまり見えてこないのが実情です。特に多軸制御工作機械は機械そのものの精度を検査する方法も定まったものが存在しませんでした。そこで私たちの研究室では機械の運動精度を検査する方法を提案し実施することでまず機械の精度を保証し、そのうえで加工方法について提案と検証を行っています。

長森 英二

日本随一の教育・実証用バイオリアクターで「持続可能型社会」に貢献

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」において、植物由来原料からバイオ由来製品を生産する技術の開発・最適化を迅速化するための技術開発を行っています。標準化・試作支援・技術者育成の3つを柱にして取り組んでいます。

廣芝 伸哉

フレキシブルデバイス作製のための基盤技術(有機,酸化物,MDシミュレーション)

有機分子や,酸化物ナノ材料など物質のもつ多彩な機能や物性を応用し,フレキシブルFETデバイスやバイオセンシングなどのナノシステムデバイス創成することを目指しています. 物質中の電子を情報システムに組み込めるようなデバイス機能につながる物質の性質(物性)を探求しています. 電気測定をはじめ,分光特性,構造解析,分子動力学(MD)計算およびナノ構造作製技術を用いて基礎物性をベースとして得られた知見をもとに,デバイス機能への展開を目指しています. 特に,ナノ加工技術や精密な薄膜形成手法が得意分野です.この分野では,有機半導体ナノワイヤや分子超格子構造,誘導自己組織化と逐次浸透合成を組合せた微細構造作製などなど,新しい独自の技術を目指しています.

羽賀 俊雄

鋳造鍛造によるリサイクルAl-Mg合金の機械的性質の改善

AC7AのようなAl-Mg合金は,鋳造したままで塑性加工や熱処理をせずに良好な機械的性質が得られる.つまり省エネルギーの利点がある.本研究では,AC7A合金機械的性質に対する,鋳造時の冷却速度影響,不純物Feの混入の影響,熱間鍛造の影響について調査した.その結果,Al-Mg合金はFeの混入に対して強いロバスト性,つまり機械的性質の低下が小さいことが明らかになった.

中村 友浩

3次元培養筋”OITem”の開発と評価

我々の研究グループでは、長期的な培養が可能で成熟度が高く、機能評価が簡便に実施できるマウス由来骨格筋オルガノイド作成に成功し、大阪工業大学独自のモデルとして3次元培養筋OITem (Osaka Institute of Technology:Tissue engineered muscle) と命名した。この骨格筋オルガノイドは、平面培養と異なり、細胞配向性が高く、形態的にも生体筋と類似していることが明らかとなっている。培養中に自己組織化によって生じる受動的張力を解放し、機械的除負荷を行うと生体筋の廃用性筋萎縮に類似した表現型が生じる。また、培養デバイスを汎用的な電気刺激装置が使用できるように最適化し、生体筋の収縮様式と類似した短縮性収縮を誘導したり、収縮機能を評価することも可能である。この生体外デバイスを利用し、生体筋収縮を模倣することが可能であれば、運動効果を検証する動物代替モデルとして活用できるだけで無く、高齢化に伴う筋力低下を予防できる栄養素材の開発やALS、重症筋無力症などの難病疾患の創薬等、幅広い領域で社会実装可能な基盤技術として期待できる。

倉前 宏行

マルチスケール・マルチフィジックス有限要素解析法

金属材料の機械的特性は,材料の微視的な多結晶構造,特に優先方位や結晶粒径に大きく依存する.微視結晶構造制御に基づく高機能材料の創製のためには,熱的影響を含む材料の加工過程における塑性変形過程の結晶集合組織発展の非線形解析手法と加工プロセスパラメータの最適化の確立が必要である. 本研究においては,塑性変形誘起の集合組織発展に加え,熱的負荷による動的再結晶を解析可能なマルチスケール熱・結晶塑性有限要素解析コードを開発した.これにより自動車用ボディ板材のAl合金板材の圧延創製過程のプロセス最適化が可能となる.

羽賀 俊雄

高速ロールキャスターによるアルミニウム合金板の鋳造

ロール周速30m/min以上,冷却速度2000℃/s以上でアルミニウム合金板が鋳造可能な双ロールキャスターと単ロールキャスターの開発を行ってきた.溶湯から直接薄板の高速鋳造が可能であるため,省工程・省エネルギーの利点がある.また,高い冷却速度によりリサイクル材に含まれる金属間化合物を微細粒状化し,不純物を部外化することができる.つまりアップグレードリサイクルが可能になる.また,中心線偏析は,双ロールキャスターに特徴的な欠陥であるが,これを解決するためにスクレイパーを装着した単ロールキャスターを開発した.

羽賀 俊雄

通孔ポーラス材の簡単な作製方法

半凝固状態を利用してアルミニウム合金の通孔ポーラス材を簡単・安価に作製することができます.半凝固状態で中子棒を引き抜くだけで,通孔ポーラス材を作製できます.孔形状は例えば“L”字型も可能です.通孔の最小径の実績は0.5mmです.平行な通孔だけではなく,異なる方向の通孔も開けることができます.従来のポーラス材より長い通孔を開けることができます.直径5mmの通孔では長さ500mmの実績があります.

井上 雄紀

ROSを基盤とした研究、開発用の移動ロボット

移動ロボットの開発では、信頼性確保のために新規モジュールの開発は上位の各種ソフトウェアモジュール、スタック、ツール群を含めると膨大なコストとなる。ROSを活用することで、きちんと動作する、独自ハードウェアロボットの実装が容易となる。なお、移動ロボットの独自のハードウェアとロボットシステムとの間のドライバは、当然開発が必要となる。PSOCによりその部分の抽象化共通化を目指す。