SDGsの分類 - 3. すべての人に健康と福祉を

34件の研究シーズが見つかりました

石道 峰典

アクアポリン4による水代謝を活用していつまでも健康な骨格筋をつくりたい!

骨格筋は水分含有量が約8割であり、水分を豊富に含んだ組織です。骨格筋を構成する筋線維(筋細胞)でのスムーズな水分代謝により筋の恒常性が保たれることから、骨格筋における水分代謝を制御する水分子輸送機構は、健康的で活動的な日常生活を維持するうえでも非常に重要となります。 現在、本研究室では、骨格筋における筋機能の維持・改善やサルコペニア予防など目的に応じた水分代謝の制御を実現するために、水分子輸送機構の主要タンパク質の1つであるアクアポリン4 (AQP4)の生理学的特性の利用法の開発を目指しています。

宇戸 禎仁

電気探査法による安全で安価なCT技術の開発

体表面電位分布を計測するために開発した小型電極アレイを用いて,簡単に体内のインピーダンス分布を低侵襲的に計測する技術の開発を行っている。通常のインピーダンスCTのように多数の電極を体表面に配置するのではなく,簡単に着脱が出来る小型電極アレイを計測に用い,地質調査の分野で使用されている電気探査法を利用して内部のインピーダンス分布の再構成を行う。現時点ではまだ,生体の計測には至っていないが,電解液中に導電性ゲルを配置することで人体のインピーダンス分布を模擬し,計測のシミュレーション実験を行っている。また,有限要素法による解析も行い,実験結果と比較を行い,測定精度が分布形状に依存して変化することなどを明らかにしている。

眞銅 雅子

植物種子へのプラズマ照射による発芽・成長促進と機能性改善

プラズマを植物種子に照射すると、発芽率の向上や成長促進、機能性の改善効果などが見られます。これは、気体を電離させてつくるプラズマが多量に含む化学的活性の高い粒子(活性種)が生体にとりこまれて細胞にはたらきかけるためと推測されています。したがって、植物への適切なプラズマ照射は、近年の食の安全性への関心や、健康志向による機能性食品の需要増に応えることできると期待されます。本研究では、植物種子等の生体表面にプラズマ照射を行うことで、種子表面の殺菌や、成長の促進、鮮度保持、機能性の向上等を目指しています。

廣井 富

手すりの上を移動する道案内ロボット

 本コミュニケーションロボットの特徴は、手すりの上を移動することである。ケータイや地図が読めない方でも問題なく、音声とジェスチャで指示してくれる。さらに人はロボットの手を握って誘導される。この時、ロボットの腕が伸び縮み可能なシステムを構築した。これにより、人の歩行速度に応じた無理のない道案内が可能である。本研究室でアルゴリズムを開発した「測域センサを用いた人検出システム」を応用しており、複数人が存在する環境内においても対象者を見失うことがなく、動作可能である。また、ロボットと案内される人の対話が破綻している場合等にオペレータが介入可能である。その介入頻度を簡易に制御可能であり、オペレータの負荷を軽減することが可能である。

松井 章浩

経済安全保障と国際的な知的財産権保護

 経済安全保障と国際的な知的財産権保護との連関を明らかにするために、とりわけ特許技術の国際的流通が一国あるいは複数国の経済安全保障にどのように影響するかを検討する。具体的に、①デジタル技術情報が越境するときの知的財産問題(遺伝資源出所開示WIPO条約、デジタル技術情報の一部を意図的に外国のサーバーに置く行為に対する管轄権行使)、②特許出願非公開制度の実務的運用(特許非公開の対象範囲、損失補償の算定基準、外国特許出願禁止措置の射程、サプライチェーンへの影響)について、経済安全保障の観点から重要度が高い宇宙技術分野、IT・半導体技術分野、医薬品分野に関する特許権を中心に分析する。

中村 友浩

3次元培養筋”OITem”の開発と評価

我々の研究グループでは、長期的な培養が可能で成熟度が高く、機能評価が簡便に実施できるマウス由来骨格筋オルガノイド作成に成功し、大阪工業大学独自のモデルとして3次元培養筋OITem (Osaka Institute of Technology:Tissue engineered muscle) と命名した。この骨格筋オルガノイドは、平面培養と異なり、細胞配向性が高く、形態的にも生体筋と類似していることが明らかとなっている。培養中に自己組織化によって生じる受動的張力を解放し、機械的除負荷を行うと生体筋の廃用性筋萎縮に類似した表現型が生じる。また、培養デバイスを汎用的な電気刺激装置が使用できるように最適化し、生体筋の収縮様式と類似した短縮性収縮を誘導したり、収縮機能を評価することも可能である。この生体外デバイスを利用し、生体筋収縮を模倣することが可能であれば、運動効果を検証する動物代替モデルとして活用できるだけで無く、高齢化に伴う筋力低下を予防できる栄養素材の開発やALS、重症筋無力症などの難病疾患の創薬等、幅広い領域で社会実装可能な基盤技術として期待できる。

森内 隆代

イオン選択性電極

 イオンは、生体内で、水分調整や代謝などに大きく関与しています。ヘルスケア分野では、生体イオン濃度で健康状態を調べるウェアラブルセンサも開発されています。当研究室では、社会の求める実用センサーを目指し、「目的のイオンを識別する認識化合物」を設計・合成しています。  そして、実際に用いられているイオン選択性電極としての性能評価や、センサー部となるイオン感応膜の開発を行っています。

小林 正治

キノコの機能を成分化学的に解明する

きのこは古くから万病予防の健康食材として利用され、漢方薬や健康補助食品の有効成分としても配合されていますが、その効能が必ずしも分子レベルで解明されているわけではありません。私たちは類例のない抗認知症作用をもつきのこ「ヤマブシタケ」に注目し、その特徴的な有機低分子成分の化学合成と生物活性検定によってきのこの効能を単分子レベルで理解・解明することを目指しています。今までに30種以上の低分子成分を合成し、そのいくつかに神経細胞保護効果があることを見出しました。

河合 俊和

医師と協働する手術支援マニピュレータ

本研究室では,患者の傍から近接操作でき,医師と共存協調する手術支援ロボットを,医工・産学連携で研究しています.執刀医が一人で行えるロボット支援手術が実現すれば,少ない医療スタッフでの手術が可能となり(感染症対策,外科医の働き方改革,大規模災害),患者は地元病院で手術を受けられ,診療科の偏在の縮小,医療費の低減にもつながります.

鎌倉 快之

カメラを用いた人の非接触状態計測

カメラの映像から顔や顔のパーツ,身体の動きを検出して生体信号を計測したり,計測した情報を応用するシステムを作成しています.また,計測したデータが,実際のセンサで計測したデータとどのくらい一致するのか,どんな風に違っているのかについて比較,解析しています. カメラを用いたウェアレス(非接触)での計測とその応用について検討しています.

芦高 恵美子

神経障害性疼痛のメカニズム解明と治療薬開発

神経障害性疼痛は、糖尿病、癌、脊髄損傷に伴い、末梢神経系や中枢神経系の損傷や機能障害によって引き起こされ、本来痛みと感じない「触る」などの刺激が痛みとなるアロディニア(異痛症)が見られる。非ステロイド性抗炎症薬やモルヒネなどの麻薬性鎮痛薬でも著効しない難治性の慢性疼痛で、第一選択薬には傾眠などの副作用が問題となっている。 これまでに、神経ペプチドのノシスタチンが、髄腔内投与によりアロディニアを抑制することを発見した。ノシスタチンに由来するペプチド誘導体を基軸に、副作用が少なく経口投与可能な鎮痛薬を開発している。 また、遺伝性結合組織疾患のエーラス・ダンロス症候群が神経障害性疼痛を発症するメカニズムを解明している。

大森 勇門

川上村の微生物資源を利用した食品開発

水源地の森を始めとする豊かな自然に囲まれた奈良県川上村。川上村の植物や土壌、それから家庭のぬか床などから酵母や乳酸菌など、食品への応用が期待できる微生物の単離を行っています。これまでに16種の酵母、15種の乳酸菌を単離しており、現在はこれら単離した微生物資源をパンやヨーグルトの製造へ応用するべく、機能解析を進めています。

神田 智子

ユーザの視線行動に適応した エージェントの視線行動の開発と評価

シャイな人間は対話相手の視線に敏感であり,注視されることを嫌うということが示されている.本研究は実験参加者の視線行動に適応するエージェントの視線行動の開発と評価を目的とする.具体的には,対話中のユーザの視線行動をアイトラッカーで取得し,過去15秒間にユーザがエージェントの目を注視していた割合を基に対話エージェントがユーザの目を注視する割合を適応させ,ユーザと類似した凝視量を保ちながら視線行動をとる対話エージェントを開発した.評価実験では,シャイなユーザグループに対話のストレスの軽減効果および対話エージェントへの親近感の向上効果が見られた.

村岡 雅弘

超分子を用いる光学活性分子の高効率センシング

キラル化合物を選択的に合成する触媒的不斉合成では,高価なキラル源や金属を利用したり,多段階の精密な合成手法と精製方法を駆使するなどの問題点がありました。そこで本研究では,構造がシンプルで簡単に合成できる輪状分子と軸状分子を適切に組み合わせることで得られる「機械結合性面不斉キラルインターロック超分子」に着目し,光学活性分子を高効率で合成する手法を開発しています。これまでに、このインターロック超分子の一つであるロタキサンを新たに合成し,特徴的な動的挙動や3次元構造を有効利用して、分子シャトル性能を評価しました。

井上 裕美子

VR空間における位置把握と視線との関係

 道に迷いやすい人と,1度で道順を覚えて目的地に移動できる人がいる.道に迷わない空間把握能力の高い人は,実空間においても,VR空間においても,同じように目的地まで迷わず行ける傾向がある.このような人は,どのように視覚情報を得て,道順を記憶し,移動しているのだろうか.これまでの研究で,この点について詳細は明らかではない.そこで本研究では,看板等のある都市部の街並みを模したVR空間内を移動し,目的地まで到達する間の視線を検討した.また,心理的指標の1つとして,移動中の心拍数の変化についても検討した.将来的には,実空間においても,記憶に残りやすい街並みや,空間を移動しながら行う探索型の教育コンテンツやゲームのVR空間において,迷わず進める空間作りの1つの基礎データとなることを期待し,本研究を行った.

姜 長安

非把持双腕ロボットによる摩擦力補償無しでの抱きかかえ制御

本研究では,力学的な本質を失わず,3次元運動を2次元運動に簡略化し,要介護者を二つの関節を持った3リンクの物体とみなす.そして,非把持双腕ロボットアームとリンクの間の静止摩擦を利用し,3リンク物体がロボットアームから滑り落ちないための安定領域を求め,その中に摩擦力が最も小さくなる姿勢を求める.得られた最適な角度を用いて,ロボットの抱きかかえ制御を行い,3リンク物体の安定支持が実現できることを示す.

木村 優介

ウォーカビリティの概念に基づく歩行空間の分析

都市の賑わいや健康的な暮らしといった観点から、都市内の歩行空間の充実が都市政策上も重要な課題となっています。特に健康状態に関連のあるとされる身体活動量の増加に寄与するため、利用者数の増加だけではなく、歩行空間の近隣の居住者の歩行活動の増加に着目することが、歩行空間整備の評価にあたって重要となります。そこで、歩行に適した生活環境を表すウォーカビリティ(Walkability)の概念と、その評価指標の一つであるWalkability Indexに着目し、都市内の歩行活動量のポテンシャルを客観的にかつ面的に把握できる手法の開発を目指しています。

福島 拓

避難訓練や運動などの動機づけを行う情報システム

制御焦点理論を活用した動機づけ支援を行う情報システム(避難訓練支援,運動支援)の研究開発を行っている.制御焦点理論は心理学で研究されている人の志向性(考え方の特性)に関わる理論である.人々を志向性のグループに分け,それぞれに適した支援を行うことで各場面での動機づけを行っている.本研究では,心理学分野の知見を活用した情報システムの研究を行っている.

福島 拓

話者の意図を適切に伝達可能な多言語間対話支援手法

医療従事者と外国人患者の間の対話支援を目的とした,多言語対話支援手法について述べる.医療現場において母語が異なるために意図の伝達が円滑に行えない問題を解決するために,用例対訳と機械翻訳を併用した多言語間対話支援技術の開発を行っている.本技術では,用例対訳や回答候補などの概念を用いて正確な意図の伝達を支援している.

森内 隆代

軟質塩ビおよび可塑剤の新規物性評価法

プロトン核磁気横緩和時間T₂に着目したパルスNMR分光計測法は、1)成形・調整することなく使用できる非破壊検査法であり かつ 2)経時変化も含めて容易に観測できることや、3)どのような形状の複合材料でもそのまま測定可能というこれからの新しい物性評価法に望まれる資質を有している上、4)分子運動性に対応する成分の測定が可能という他の評価法に例を見ない非常に特徴的な物性評価法として期待されています。本研究では、昨今の世界的問題である塩ビ製品中の可塑剤の動的挙動を評価する汎用性の高い物性評価法としての展開を目指しています。

大谷 真弓

「その人らしさ」の表現を目指す

人の「その人らしさ」は、様々な形で表現されます。摂食障害等のこころの病は、その人の「生きづらさの表現」だという視点でも捉えられますが、他方で、芸術活動にその人の表現を載せることで、そこに表われてくるものを、「生きづらさの表現」としてではなく、まさに「その人らしさ」が表われているのだ、という視点から捉えることも可能です。本研究では、「その人らしさ」が芸術活動(本研究では陶芸活動)の中で表現されているという視点から、陶芸活動を視ています。その上で、「その人らしさ」がいかに表われてくるのか、いかに変化していくのかを追い、どのような表現をすることが「生きづらさ」からの脱却へとつながるのか明らかにし、実践につなげます。

松井 章浩

主権免除をめぐる国際法と国内法の相克

本研究は、韓国における対日慰安婦訴訟と国内法改正案、イタリアにおけるドイツ主権免除事件ICJ判決以降の対ドイツ戦後賠償訴訟、米国法上の国際法違反行為免除例外規定に関する判例、国際法が要求する以上に執行免除を絶対化する各国国内判例を手がかりに、国際法上の主権免除規則とされている規範の変更を試みる国内法の新たな制定・改正、および、国内裁判所の判決は国際法にとって事実に過ぎないのかを問うものである。国際判例、国内判例、国内法を渉猟して、研究発表、論文投稿を重ねて、主権免除をめぐる国際法と国内法の相克を再検討することを目的とする。

藤田 英俊

肥満のメカニズム解明とその応用

21世紀に入り、先進国のみならず世界中においても飢餓から飽食の時代へとなりつつあり、人類は食欲を欲望のまま満たすこともできるようになってきました。このような時代において、国民の健康的な生活を阻む代表的な病態がメタボリックシンドロームであることは明白です。我々の研究室では、培養細胞やモデル動物を用いて、肥満のメカニズムを明らかにするとともに、それを解消する機能性食品の探索と開発を目指しています。

大森 勇門

発酵食品中のアミノ酸分析

アミノ酸にはL体、D体と呼ばれる光学異性体が存在します。長年、我々ヒトはD-アミノ酸を利用しないと考えられてきました。しかし分析技術の発達に伴い、D-アミノ酸がヒトの生体内で重要な機能を有していることが明らかになってきました。またD-アミノ酸を用いて食品の呈味性や生理機能を向上させた商品も開発されています。我々の研究室ではD-アミノ酸の食品利用を目標に、発酵食品や食品に関係する微生物中のアミノ酸解析を進めています。

吉田 哲

地域住民の集う集会所、民間施設などの計画・設計

各地で公共施設の長期的削減が着々と進む中で、依然として地域住民が利用できる施設は、規模が小さくとも、その「そば」にあることが望まれる。地域に建てられた集会所はもとより、地域にある「民間=私」の施設などを地域住民に開き、あつまるための「共」の施設・場とすること、または、「行政=公」の施設であったものを「私」が運営する、などでそうした施設・場を身近におく試みを支援する。 1.旧街道沿本陣のまちライブラリー利用、隣接ため池の地域利用提案(公園、ビオトープ、農園利用):2018年度~、 2.建築協定地域内の老朽集会所の建替計画、支援(図):2022年度~、 3.元医院・空家の地域サロン化、まちライブラリー設置提案:2023年度~などを進めています。

椋平 淳

共生社会の深化に資する演劇事業の企画・運営

高齢化や経済格差拡大などの社会環境の変化を背景に、劇場のもつ社会包摂機能が注目されている。特に公共の劇場が提供する事業には、単に舞台関係者や芸術愛好家に訴求する要素だけでなく、広く一般の人々の幸福感増進やコミュニティ活性化に資する多様な機能が求められる。個別の演劇事業の企画・運営や統括的な劇場運営・プログラムデザインのあり方、さらには共生社会の実現に向けた劇場を拠点とする地域貢献の方策について、実践的に探求する。

原口 真

メカトロニクス技術を活用したリハビリテーション機器の開発

メカトロニクス技術や機構設計を活用したリハビリ介助機器を研究開発しています.脊髄損傷者向けの階段昇降可能な車椅子や,高齢者などを対象とした持ち手が移動可能な新型歩行器,免荷式アシストスーツといった,使用者の移動を支援する機器をはじめとして,脳卒中患者向けの上肢リハビリ支援装置や手指リハビリ装具の開発も行っています.

谷口 浩成

底背屈と回外内動作を提供する足関節の関節可動域運動支援装置

拘縮とは,関節の柔軟性が失われた状態であり,発症前に予防することが重要である.拘縮の予防方法として,理学療法士による関節可動域(Range of Motion : ROM)訓練が実施される.しかし,高齢者の福祉施設や,通所リハビリテーションの事業所など,介護の分野における理学療法士の不足が指摘されている.そこで本研究室では,理学療法士に代わってROM訓練を行う運動装置の開発を行っている.本研究では,独自に開発した空気圧ソフトアクチュエータを用いることで,足関節のROM訓練やストレッチ運動など多様な動作を実現できるリハビリテーションシステムについて紹介する.本アクチュエータの柔軟性を利用することで,患者に対して安全で予防に必要な多様な動作を提供できる点が特長である.

グイエン ツラン

環境騒音による健康影響とその対策に関する研究

騒音は、強い不快感や睡眠障害など、健康と生活の質に深刻な影響を及ぼし得る。特に発展途上国では、都市化、工業化、交通量の増加に伴い、人口密集地域での騒音曝露量が増加しているため状況は深刻である。この問題に対応するため、多くの国は騒音の排出と制御に関する基準を設けている。しかし発展途上国では、騒音モニタリングや騒音マッピングを通じた公衆衛生への影響や、保護すべき人々の特定に関する情報が不足しているため、問題に対処できていない。本研究では、空港周辺の病院における健康調査と施設利用・計画状況分析を通じて、騒音曝露による患者の健康への影響に関する高精度の予測方法を開発し、健康リスクマップを作成する。これにより、一般の人々に騒音曝露量が分かりやすく共有できるようになり、人々の騒音に対する意識を高め、各国政府による適切な対策を推進することが可能となる。

吉田 哲

高齢者の地域継続居住支援

住み続けてきた街で、高齢期にも健康に生活を継続できることは誰しもが望むことである。そのためには特定のだれかに負担が集中したり、補助金頼みの支援では持続的な支援とならない。こうした前提で、1.高齢者の外出支援のための道路沿い私有地へのベンチの設置、2.介護保険外・訪問型日常生活支援の広域・越境提供の研究(科研費:2022-)、などを進めています。中でも1.では2021年度国土交通省令和3年度(第15回)バリアフリー化推進功労者大臣表彰、京都景観賞、景観づくり活動部門:市長賞(令和2・3年度)、日本都市計画学会関西支部、関西まちづくり賞: 奨励賞などを受賞しており、2019年にはロンドンで Urban Design for Elderly Pedestriansと題した事例報告もしています( UCL-Japan Grand Challenges Symposium “Research Development and Innovative Knowledge Transfer to Super-ageing Society”, JANET Forum 2019, 2019.11.5, Embassy of Japan in the UK)。京都市内の3小学校区で合計60か所のベンチ設置となり、活動は京都市内の隣接区や大阪府、万博などへも広がりつつあります(協力を要請されています)。2023年度から同じ活動をする他地域の活動とも連携を始めており、2024年度は『まちのベンチ』情報交流会を11/30に京都教育大学で開催する予定です←詳細は連絡をください。

川原 幸一

新規細胞老化抑制剤|アンヒドロフルクトース

日本は世界で最も早く超高齢社会に突入し、2024年には50歳以上の人口が50%を超える見込みである。そのため、健康寿命の延伸が急務である。近年、血管の老化が健康寿命に大きく影響することが明らかになり、血管内皮細胞の機能維持が重要である。私たちは、食品成分であるアンヒドロフルクトースが血管内皮細胞の老化を抑制することを見出し権利化に成功した。これにより健康寿命の延伸が可能だと確信している。

小池 一歩

絹フィブロインを用いた酵素膜の作製と拡張ゲートFET型バイオセンサーへの応用

本研究室が行っている研究課題の一つに「連続モニタリング可能な拡張ゲートFET型バイオセンサーの開発」があります。近年,低侵襲でバイオマーカを検査できるパッチ式バイオセンサーの開発に関心が高まっています。我々は,市販のMOSFETのゲート端子に酵素膜を形成した拡張電極を接続して,グルコース(糖),クレアチニン,尿素窒素を検出するための拡張ゲートFET(EGFET)型バイオセンサーの開発を行っています。本研究シーズは,絹フィブロインを用いた酵素膜の作製とEGFET型バイオセンサー回路の設計です。