高等学校普通教科「情報」の質向上を目的とした教材及び シラバスの作成

情報科学部

ネットワークデザイン学科

ネットワーキング研究室

島野顕継 准教授

共同研究者

大城かおり

文部科学省高等学校次期学習指導要領解説情報編(平成30年度改訂)では,情報分野を学ぶ上で専門的な知識に触れ,それがどの様な仕組みであるかを知るための教育を重要視しているが,内容を詰め込み過ぎて現場の疲弊を生じさせかねない内容となっている.本研究では情報の科学的な理解を深め,情報分野に対する興味・関心を引き出すことをねらいとする高等学校情報科科目「情報I」で実際に活用でき,特定の環境を用意できる現場を助ける教材開発及びシラバスの作成を行った.

対象者:  普通科高等学校1年生
学習内容 : 情報機器,情報技術,インターネットの仕組み
授業方法:  座学と演習
授業時間 : 1回50分
学習の目的:  ネットワークの基礎について理解し,インターネットの仕組みについて簡単に説明できる

次に示す目次の教材資料を作成した。当該資料は122ページから成り,図を多用した.

1章 インターネットの基礎
 1.1 ネットワークとインターネット
 1.2 LANとWAN
 1.3 ネットワークを構成する装置
 1.4 WWW (World Wide Web)
 1.5 ディレクトリ
 1.6 コマンド
 1.7 IPアドレス

2章 OSインストールとインターフェースの編集
 2.1 Raspberry Pi
 2.2 OS (Operating System)
 2.3 OSの種類
 2.4 OSのインストール(演習)
 2.5 インターフェース
 2.6 インターフェースの設定
 2.7 設定ファイルinterfacesの編集(演習)

3章 無線LANアクセスポイント
 3.1 無線LANアクセスポイント
 3.2 Wi-Fi
 3.3 無線LANアクセスポイントと無線LANルータ
 3.4 無線LANアクセスポイントの設置(演習)

4章 DHCPサーバ
 4.1 DHCP
 4.2 DHCPサーバの導入前の事前知識
 4.3 DHCPサーバの導入(演習)

5章 NAPT
 5.1 NAPT
 5.2 プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレス
 5.3 NAPTの機能
 5.4 NAPTの導入(演習)

6章 ファイアウォール
 6.1 ファイアウォール
 6.2 ポート番号
 6.3 ファイアウォールの導入(演習)

7章 ルーティング
 7.1 ルーティング
 7.2 ルーティングソフトウェアの導入(演習)
 7.3 ルーティング設定前準備
 7.4 静的(スタティック)ルーティング
 7.5 動的(ダイナミック)ルーティング

今後の課題として,エラーやコマンドの補足としての教員用資料を作成する・学校に導入するためにはどれだけの環境が必要であるかの基準を示す・実際に高校生を対象に教材を用いて授業を行い,意見を受け改善を行う等が挙げられる.

研究シーズ・教員に対しての問合せや相談事項はこちら

技術相談申込フォーム