学部・学科の分類 - 一般教育科

11件の研究シーズが見つかりました

門内 晶彦

クォークグルーオンプラズマから探る数兆度の世界

物質を形作る最小構成要素であるクォークやグルーオンなどの素粒子は、通常は原子核中の陽子や中性子などのハドロンと呼ばれる粒子内部に閉じ込められています。一方約2兆度以上の超高温になるとクォークグルーオンプラズマ(QGP)と呼ばれる素粒子のプラズマ状態になると考えられています。QGPはビッグバン直後の初期宇宙を満たしていたとされますが、高エネルギー原子核衝突による実験的な生成が可能です。モデル構築、解析計算、数値シミュレーションなどを通じてQGPの物理を理論的に研究しています。

石川 恒男

一般教育科数学教室の教育

数学教室では専任教員7名にロボティックス&デザイン学部専任教員1名と非常勤講師を加えて各数学科目の担当を行っている。まず、高大接続科目である「解析学I」「解析学I演習」という科目を設定し、教育センターと連携しながら担当するという形をとっている。講義と演習を連携した上で、必要ならば「学習相談」という自由に質問できる時間を設け、さらに、学習が不十分な学生に対しては教育センターでチューターによる対応を行い、「基礎力向上講座」も開講している。大学での数学教育については、1年次に「解析学 II」「解析学 II 演習」「解析学 III」「解析学 III 演習」「線形代数学 I」「線形代数学 II」を履修し工学で必要な微積分や線形代数の習得に力を入れる。これらの科目は学科によって履修時期や若干の内容の違いはある。次に、2年次以上に対しては「工学の基礎」「数理科学と教育」というカテゴリーで数学科目(別記)を担当し、講義に対応する演習科目は設定していないが、「数学教室学習相談」で質問の対応している。科目に関しては自由選択であり、微分方程式、確率統計、複素解析などの分野の科目を設定し担当している。研究については、個人研究を中心に行っている。

横田 猛

機械学習を用いた多体問題の計算法の開発

世の中の物質はお互いに力を及ぼし合う微粒子が集まってできています。その微粒子の性質から物質の性質を理解する問題を多体問題と呼びますが、そのための計算方法の開発は物理学の難しい問題として残っています。この問題に対し、近年大きく発展している機械学習を用いたアプローチを開発しています。特に多体問題の解析の中でしばしば現れる汎関数微分方程式という複雑な式を数値的に解く鍵として機械学習に注目し、研究を行っています。

藤元 章

「人類の危機への挑戦」をテーマにした課題解決型授業

[概要] 大阪工業大学の工学部では,PBL(ProblemあるいはProject-Based Learning)を基軸とした教育カリキュラムを実施しています。1年次では各学科の専門分野に関連した課題の実験・実習的なPBLを行い,2年次生には物理学,地球科学,生物科学の分野横断型PBLを提供しています。2015年度から2018年度まで「火星移住計画」を題材にして, 2019年度から2022年度まで「太陽系ツアー」を題材にして進めてきました。そして, 2023年度からは,惑星・宇宙の枠を飛び出して,「人類への危機への挑戦」をテーマにしたPBL型授業を進めています。

松﨑 令

雪氷環境に適応した微細藻類の種多様性の解明

微細藻類は主に海や湖沼の植物プランクトンとして知られていますが、雪氷環境に適応し、残雪や氷河の中で繁殖するグループもいます。そのような微細藻類は「氷雪藻類 (または雪氷藻類)」と呼ばれており、世界各地の雪氷環境から報告されています。しかしながら、氷雪藻類がどれぐらい多様で、それぞれの種がどのような生態をもつのか、詳しいことはよく分かっていません。一方で、地球温暖化により、氷雪藻類が生息できる雪氷環境は世界的に減少傾向にあります。私は氷雪藻類の種多様性の解明と保全を目的として、日本や海外のサンプルを研究しています。

長谷川 尊之

半導体構造におけるテラヘルツ領域光励起過渡現象

半導体表面にフェムト秒レーザーを照射すると、テラヘルツ領域において電子や原子の様々な光励起過渡現象が励起されます。光励起過渡現象はテラヘルツ領域電磁波(テラヘルツ波)放射や誘電率変調など多彩な応答をもたらすことから、光機能デバイスへの応用の観点から注目を集めています。本研究室では、結晶の表面状態に基づいた独自のアプローチから、光励起過渡現象のダイナミクスとテラヘルツ波放射特性を探究しています。

谷 保孝

古第三紀神戸層群凝灰岩層の層序学的・記載岩石学的研究

 本研究では,兵庫県三田盆地に分布する神戸層群凝灰岩層をより精密に区分し,それらの凝灰岩層の記載岩石学的性質を明らかにする.野外調査では凝灰岩層の岩相や分布を,鏡下観察では凝灰岩層の軽石斑晶鉱物の組み合わせを記載する.必要に応じて黒雲母などの化学組成も測定する.また,本研究による凝灰岩層序区分に基づいた地質図の作成も進める.本研究の成果は,神戸層群分布域で発生する地すべりに関する課題などを考察する上でも重要な役割を果たすことが期待される.

藤元 章

二硫化モリブデン/グラフェンの電界効果トランジスタ

〔概要〕酸化膜付きのSi基板上にMoを電子ビーム蒸着させ,Moを硫化させることにより二硫化モリブデン薄膜を作製した.この二硫化モリブデンのトランジスタ動作も確認した.SiO2上の二硫化モリブデン/グラフェンのヘテロ接合では,電流-電圧特性では線形性が得られたが,AlOx上では非線形性が得られた.本研究のMoS2結晶内にp型領域およびn型領域が生じることでショットキー性を示したと考えられる.