リサイクル可能なエーテル系溶媒を用いる環境適合型有機合成法
-CPMEと4-MeTHPの有機合成反応への応用-
工学部
応用化学科
天然物化学研究室
小林正治
准教授
有機合成化学における反応溶媒の役割は極めて重大であり,特に大規模な工場レベルでの製造プロセスでは,原料や試薬に対する相溶性に加えて,安定性,回収・再利用性,安全性,価格などに優れた溶媒が求められている.発表者は,今世紀に開発された日本発の疎水性エーテル系溶媒,シクロペンチルメチルエーテル(CPME)ならびに4-メチルテトラヒドロピラン(4-MeTHP)の基本有機化学特性を解明し,幅広い有機合成反応における溶媒としての活用法を提案した.
論文
「4-Methyltetrahydropyran (4-MeTHP): Application as an Organic Reaction Solvent」(2018)KobayashiShoji『Chem. Asian J.』14(21)p.3921-3937.
「Grignard Reactions in Cyclopentyl Methyl Ether (CPME)」(2016)KobayashiShoji『Asian J. Org. Chem.』5(5)p.636-645.
「Evaluation of Cyclopentyl Methyl Ether (CPME) as a Solvent for Radical Reactions」(2013)KobayashiShoji『Tetrahedron』69(10)p.2251-2259.