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ホームフェノールポリマーの合成とその機能性評価
SDGsの分類
研究テーマ
ライフサイエンスナノ・材料
学科の分類
工学部生命工学科

フェノールポリマーの合成とその機能性評価

工学部

生命工学科

ナノメディシン研究室

外波弘之 准教授

酵素フェノールポリマー

 近年,酵素触媒をプラスチックなどのポリマー合成に利用する方法が注目されている.これは酵素触媒の有する次のような特徴を活用しよ うというものである.1,高い触媒活性 2,基質特異性 3,生分解性 4,穏和な条件下で機能.本研究では,このような酵素触媒の特徴を活かし,主として西洋ワサビ由来のペルオキシダーゼ(HRP)を触媒としてフェノール類を重合させる.生成するフェノールポリマーについて,抗酸化性などの機能性評価を行う.

フェノールポリマーとは?

 フェノール類の重合により得られるポリマーのことで,汎用合成ポリマーであるフェノール樹脂や木質中に存在するリグニンもフェノールポリマーと言える.本研究で用いるHRP触媒による合成では,モノマーであるフェノール類の酸化によりラジカルが発生し,高分子量体(フェノールポリマー)が生成する.こうして得られるフェノールポリマーはC-C結合とC-O結合により主鎖骨格が形成され,フェノール性水酸基が残存する.また穏和な条件下での酵素反応を利用するため,側鎖の官能基を保護することなく一段階でポリマー合成が可能となる.

フェノール類の重合反応

フェノールポリマーの合成方法

 モノマーであるフェノール類と酵素触媒であるHRPを適切な溶媒(主として有機溶媒/緩衝液の混合溶媒)に溶解させ,酸化剤である過酸化水素水を滴下することでポリマーが得られた.生成したポリマーについて,紫外線吸収・抗酸化性・抗菌性・タンパク質に対する結合性といった機能性評価を行った.

フェノールポリマーのもつ機能

紫外線吸収

 紫外線吸収帯が長波長側にまで伸び,UV-BからUV-A領域にまで広がっていた.化粧品や日焼け止めなどへの応用が期待される.

タンパク質への結合性

 特定の共重合体(アミノ基2,カルボキシル基7,tert-ブチル基1のモノマー仕込み比)においては,タンパク質(アルブミン)に対する結合性を有することが分かった.医薬品への応用が期待される.

抗酸化性

 フェノールポリマーはいずれも抗酸化性を有していた.抗酸化性の強いものではアスコルビン酸(ビタミンC)相当の抗酸化性を示した.化粧品や医薬品などへの応用が期待される.

フェノールポリマーの抗酸化性

研究者INFO: 工学部 生命工学科 ナノメディシン研究室 外波弘之 准教授

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一般教育科数学教室の教育と研究

数学教室では専任教員6名にロボティックス&デザイン学部専任教員1名と非常勤講師を加えて各数学科目の担当を行っている。ここでは教育センターのことも含めて実状は語れないので教育センターにも触れる。数学科目に関しては特に初年次教育に重点を置き、「解析学I」「解析学I演習」という接続科目を設定し、教育センターと連携しながら数学教室専任教員も担当するという形をとっている。講義と演習を連携した上で、必要ならば「学習相談」という自由に質問できる時間を設け、さらに、学習が不十分な学生に対しては教育センターでチューターによる対応を行い、「基礎力向上講座」も開講している。これらの接続科目は教育センターと共同で運営している。1年次科目「解析学 II」「解析学 II 演習」「解析学 III」「解析学 III 演習」「線形代数学 I」「線形代数学 II」に対してもある程度同様に対応しているが、ここからは主に数学教室の担当となる。なお、学科によって履修時期や若干の内容の違いはある。次に、2年次以上に対しては「工学の基礎」「数理科学と教育」というカテゴリーで数学科目(別記)を担当し、講義に対応する演習科目は設定していないが、「数学教室学習相談」で質問の対応している。科目に関しては自由選択であり、微分方程式、確率統計、複素解析などの分野の科目を設定し担当している。研究については、個人研究を中心に行っている。

松本 政秀

OpenFOAMを用いた混相流解析

PCB(ポリ塩化ビフェニル)分解処理反応器内壁における腐食減肉発生メカニズムを解明するための初期検討として,異種二流体が化学反応を伴わずに混合する過程の熱流体解析を実施している.解析ツールとして,OpenFOAMの混相流解析ソルバー群より,非等温で圧縮性が考慮できる二相/二流体の非定常解析ソルバーtwoPhaseEulerFoam を用いた.腐食性を仮定した高密度流体が反応器隔壁の数mmの隙間から鉛直下方へ流れ落ち,減肉の生じた底部内壁へ到達することが確認できた.

井上 晋教授,大山 理教授,三方 康弘教授,今川 雄亮講師

大型供試体による橋梁の性能評価

 八幡工学実験場は,大阪工業大学が,学内の教育・研究活動の活性化のみならず,産・官・学の各方面との交流により社会や技術の発展に寄与することを目的として設立されたものです.本実験場は,1986年12月に構造実験センターとしてそのスタートを切り,その後,水理実験センター,高電圧実験センターを併置して今日に至っています.広大な実験場の敷地内には特色ある各種の大型実験設備・装置が設置されており,これらは実験場設立の趣旨にしたがい,学内の教育・研究はもとより,学外の関係各方面との綿密な連携のもとに行われる各種の委託研究や共同研究に役立てられています.また,このような学外との交流は実験場で学ぶ学生にとって貴重な体験となっています.
 ここでは,構造実験センターに設置されている主な実験設備・装置を紹介するとともに,その設備・装置を用いて取り組んでいる研究について紹介します.

井上 裕美子

VR空間における位置把握と視線との関係

 道に迷いやすい人と,1度で道順を覚えて目的地に移動できる人がいる.道に迷わない空間把握能力の高い人は,実空間においても,VR空間においても,同じように目的地まで迷わず行ける傾向がある.このような人は,どのように視覚情報を得て,道順を記憶し,移動しているのだろうか.これまでの研究で,この点について詳細は明らかではない.そこで本研究では,看板等のある都市部の街並みを模したVR空間内を移動し,目的地まで到達する間の視線を検討した.また,心理的指標の1つとして,移動中の心拍数の変化についても検討した.将来的には,実空間においても,記憶に残りやすい街並みや,空間を移動しながら行う探索型の教育コンテンツやゲームのVR空間において,迷わず進める空間作りの1つの基礎データとなることを期待し,本研究を行った.

福原 和則

丘のある住まい

多くの世帯の生活の舞台となる「集合住宅」は自ずと大規模な開発になることが多く、まとまった豊かな環境を形成することが可能である。住まいとなる住棟の設計と合わせて、その広がりを生かした豊かなランドスケープデザインを展開することで、戸建て住宅地では成しえない環境を形成できる。

井上 剛

生体電位計測を用いたアプリケーションの創出

ヒトの体からは臓器の活動や筋の収縮に伴い微弱な電気信号(生体電位)が発生しています.医療現場で病気の判断等に用いられていたこれらの電気信号は,近年の計測技術の発展によりより日常での計測が可能になりつつあります.生体電位の計測結果からはユーザの状態,例えばどのくらい心拍が変動しているか?どのくらい筋力が発揮されているか,などが定量化できるため,この定量値を基づいて自然な形でユーザを「推定・理解・予測」する様々なユーザ支援アプリケーションの実現が可能となります.

石道 峰典

生体の筋機能の改善に向けたアクアポリン4による水分代謝の制御法の開発

骨格筋は水分含有量が約8割であり、水分を豊富に含んだ組織です。骨格筋を構成する筋線維(筋細胞)でのスムーズな水分代謝により筋の恒常性が保たれることから、骨格筋における水分代謝を制御する水分子輸送機構は、健康的で活動的な日常生活を維持するうえでも非常に重要となります。 現在、本研究室では、骨格筋における筋機能の維持・改善やサルコペニア予防など目的に応じた水分代謝の制御を実現するために、水分子輸送機構の主要タンパク質の1つであるアクアポリン4 (AQP4)の生理学的特性の利用法の開発を目指しています。

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