分子を組み合わせてナノレベルの機械部品を操作する
ロタキサンやカテナンなどに代表されるインターロック分子は、分子間に生じる超分子相互作用を介して互いに絡み合い固定化した興味深い構造を有しています。これまでに、近年の有機分子合成技術を多用して、多種類のインターロック分子の合成に成功しています。そこで我々は、このインターロック分子の特徴的な動的挙動や3次元構造を有効利用して、分子マシンとして実社会での応用を実現すべく、ナノレベルの機械部品となる分子設計とその開発研究を行っています。
一液型硬化剤として、保存安定性に優れ低温で硬化作用を持つアミン類をインターカレートしたリン酸ジルコニウムを合成した。これは高次に制御されたナノ空間内に配列したアミンを供することで、熱潜在性エポキシ樹脂硬化剤として利用できる。80℃以上に加熱することで樹脂硬化反応が高効率に促進し、作業時間短縮と省エネルギーに貢献しつつ、層状のリン酸ジルコニウム層間内への樹脂侵入による補強効果も一度に達成される利点を持つ。また、樹脂類とアミンの中から適当な配合処方の組み合わせにより硬化反応性の設計ノウハウを提供できる。
論文
「Acceleration Effects of 1,5,7-Triazabicyclo[4.4.0]dec-5-ene (TBD) with 2-Methylimidazole-Intercalated α-Zirconium Phosphate as a Latent Thermal Initiator in the Reaction of Glycidyl Phenyl Ether(GPE) and Hexahydro-4-Methylphthalic Anhydride (MHHPA)」(2019)『J. Polym. Sci., Part A Polym. Chem.』57p.2557-2561.
「Enhancement Effects for TBD (1,5,7-Triazabicyclo[4.4.0]dec-5-ene) with 2-Methylimidazole-Intercalated -Zirconium Phosphate as a Latent Thermal Initiator in the Reaction of Glycidyl Phenyl Ether」(2019)『Inorganics』7p.83.
「 Imidazoles-Intercalated α-Zirconium Phosphate as Latent Thermal Initiators in the Reaction of Glycidyl Phenyl Ether (GPE) and Hexahydro-4-Methylphthalic Anhydride (MHHPA)」(2017)『Catalysts』7(6)p.172.
特許
特願2012-251986
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