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ホーム天然ガスや水素を燃料とする新世代エンジンの高精度着火予測モデルの開発
SDGsの分類
研究テーマ
エネルギー・環境
学科の分類
工学部機械工学科

天然ガスや水素を燃料とする新世代エンジンの高精度着火予測モデルの開発 詳細反応モデルが記述する着火遅れ時間を高精度に再現可能な総括式を用いた遡り型Livengood-Wu積分という新たな方法

工学部

機械工学科

内燃機関研究室

桑原一成 教授

着火・燃焼モデリング燃料ノッキングエンジン

数値的検討により新たなエンジン技術の開発を加速することが求められている。数千の化学種と数千の素反応から構成される詳細反応モデルが記述するガソリンの着火遅れ時間の温度・圧力・当量比・EGR依存性をわずか五つの式により誤差10 %以内という高精度で再現可能な方法を確立した。この着火遅れ時間総括式を用い、最も簡素な着火予測モデルとして普及しているLivengood-Wu積分を遡り型で行うという新たな発想により、高汎用性、高精度、低計算負荷を極めて高いレベルで並立させたガソリン着火予測モデル(ノッキング予測モデル)を確立した。このモデルを天然ガス、水素、アンモニアなどの新燃料の着火予測に拡張することにより、これらの燃料を用いた新世代エンジンの開発に大きく貢献可能であると考える。

従来のアプローチ

・詳細反応モデル:数千の化学種と数千の素反応から構成される詳細反応モデルにより実燃料の着火遅れ時間を正確に記述可能であるが、計算負荷が極めて大きいため、汎用エンジンシミュレーターへの実装は不可能である。

・簡略化反応モデル:数十の化学種と数十の反応から構成される簡略化反応モデルがエンジンシミュレーションに用いられているが、詳細反応モデルが記述する着火遅れ時間を必ずしも高精度に再現可能であるわけではない。

・Livendood-Wu積分:定容過程であれば、着火遅れ時間の逆数を着火の鍵となるある物質の平均生成速度を代表するものと見なし、着火遅れ時間を経てこの物質の濃度が臨界値に達すると着火が生じると考える。温度と圧力の変化をともなうエンジンの中では、それぞれの温度と圧力を初期値とした定容過程の着火遅れ時間の逆数を温度と圧力の履歴に沿って積分し、積分値が1に達する時点で着火が生じると考える。1955年に提案されたこの方法が最も簡素で汎用的なモデルとして広く普及しているが、このような経験的方法によりなぜ着火予測が成立するのか、合理的な説明はなされていない。予測精度は必ずしも高くない。

ガソリン着火予測モデルの確立の歩み

・Livengood-Wu積分による着火予測が成立することに対する新規的な説明:正規化時間に対する熱発生速度の履歴が相似的であることを前提とすれば、熱の積分と見なせることを解明。

・ガソリンの着火遅れ時間総括式の確立:詳細反応モデルが記述する着火遅れ時間の温度・圧力・当量比・EGR依存性をわずか五つの式により誤差10 %以内という高精度で再現可能な方法を確立(下図)。

・着火遅れ時間総括式を用いたLivengood-Wu積分による着火予測の誤差要因の解明:従来、積分過程の後半に誤差が蓄積されると考えられてきたが、積分過程の前半に蓄積されることを解明。

・誤差補正式の確立:積分過程中間点の着火遅れ時間変化率により誤差を総括的に記述可能であることを解明。

・着火遅れ時間総括式と誤差補正式を用いた遡り型Livengood-Wu積分による高精度着火予測モデルの確立:積分過程の前半に誤差が蓄積されるため、積分を順方向ではなく逆方向に行うことによる高精度化を提案。

新燃料への拡張の鍵ノウハウ-着火遅れ時間総括式-

天然ガス、水素、アンモニアなどの新燃料への拡張を検討中

論文

「高精度エンドガス自着火予測モデルの開発(第4報)-着火遅れ時間総括式と誤差補正式を用いた遡り型Livengood-Wu積分-」(2020)桑原一成『自動車技術会論文集』51(4)p.655-662.

「高精度エンドガス自着火予測モデルの開発(第2報)-プレミアムガソリンサロゲート燃料の着火遅れ時間総括式の構築-」(2019)桑原一成『自動車技術会論文集』50(2)p.340-346.

「高精度エンドガス自着火予測モデルの開発-Livengood-Wu積分による着火予測の本質-」(2018)桑原一成『自動車技術会論文集』49(6)p.1143-1149.

研究者INFO: 工学部 機械工学科 内燃機関研究室 桑原一成 教授

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福岡 雅子

環境分野における地方公共団体の事務事業支援

水処理,ごみ処理,省エネルギー型の都市構造への転換などのような環境面のマイナスをゼロまたはプラスにする取り組みは,大衆の利益を向上させます。しかし,必ずしも当面の営利があがる事業ではありません。そのため,地方公共団体が税金を投入して担っています。 そのような地方公共団体における環境分野の取り組み,事務事業を支援し,利益を受け取る多くの人々に理解を促す方策について,社会実装と実証研究をしています。

松田 泰明

次世代エネルギー変換デバイス材料の創成と新規エネルギー変換反応の開拓

固体中をリチウムやプロトンを始めとするイオンが高速で拡散する物質(イオニクス材料)を開拓し、固体の利点や特徴を活かした新規反応の探索、次世代蓄電・発電デバイスの開発を行っています。

又吉 秀仁

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再生可能エネルギーの大量導入を可能にするDCスマートグリッドのための新しいマネジメント手法を開発した。提案するDCシステムは自立運転を可能とする設計であり、エネルギー貯蔵装置の活用だけでなく負荷制御や再生可能エネルギー電源の出力抑制制御を検討した。DCマイクログリッドの安定した自立運転のために、PVモジュールの特性を利用する疑似Droop制御手法を提案した。疑似Droop制御は最大電力の推定を行わないシンプルな制御システムにより、PV出力電力の適切な抑制を可能とする。

井上 晋教授,大山 理教授,三方 康弘教授,今川 雄亮講師

大型供試体による橋梁の性能評価

 八幡工学実験場は,大阪工業大学が,学内の教育・研究活動の活性化のみならず,産・官・学の各方面との交流により社会や技術の発展に寄与することを目的として設立されたものです.本実験場は,1986年12月に構造実験センターとしてそのスタートを切り,その後,水理実験センター,高電圧実験センターを併置して今日に至っています.広大な実験場の敷地内には特色ある各種の大型実験設備・装置が設置されており,これらは実験場設立の趣旨にしたがい,学内の教育・研究はもとより,学外の関係各方面との綿密な連携のもとに行われる各種の委託研究や共同研究に役立てられています.また,このような学外との交流は実験場で学ぶ学生にとって貴重な体験となっています.
 ここでは,構造実験センターに設置されている主な実験設備・装置を紹介するとともに,その設備・装置を用いて取り組んでいる研究について紹介します.

西野 孝仁

地震と火災による複合損傷を受けた建築構造物の構造安全性

 耐震設計された建物が地震後に辛うじてその構造的機能を維持できていたとしても、補修・補強される間もなく火災を経験すると、地震直後に保持していた構造的機能を喪失することが考えられる。したがって安心安全のために、地震火災の規模と建物損傷度の関係を推定しておく必要がある。本研究の目的は鉄筋コンクリート柱の地震火災後の建物損傷度を、残存耐力により推定することである。地震および火災を模擬した損傷は、本学八幡工学実験場の載荷装置および水平加熱炉・大型電気炉で、模擬的に与えられている。

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