SDGsの分類 研究テーマ 土木・社会基盤 学科の分類 工学部都市デザイン工学科 降雨量観測に基づく土砂災害発生危険度予測・監視に関する研究 工学部 都市デザイン工学科 地盤防災研究室 日置和昭 教授 地盤防災深層崩壊表層崩壊 都市デザイン工学科の地盤領域(地盤防災研究室、地盤環境工学研究室)では,近年多発する豪雨や来たるべき巨大地震により山腹斜面や土構造物が崩壊する危険度を予測・評価するためのさまざまな研究を行っています.このうち,降雨量観測に基づく土砂災害発生危険度予測・監視に関する研究を紹介します. 降雨量観測に基づく土砂災害危険度予測・監視 大阪工業大学は2011年9月の台風12号で甚大な被害が出た奈良県十津川村と2014年12月に連携協定を結んだ.豪雨による深層崩壊危険度を予測・監視するため,地盤防災研究室は,村内の3箇所(旭、五百瀬、出谷)に雨量計を設置.独自に開発した深層崩壊危険度指標を用いて,十津川村の豪雨時深層崩壊危険度予測・監視を行っている.特に,上記3箇所では,雨量データに加え解析結果(危険度指標に危険度指数とその1週間累積値がプロットされたもの)が,60分毎に村と研究室の双方に自動送信されている.現在,十津川村役場では,住民への避難勧告・指示等を行う際の資料として,気象庁の土砂災害警戒情報と地盤防災研究室の深層崩壊警戒情報を差別化して積極的に活用している. また,地盤防災研究室は,広島圏域の土石流発生危険度指標も独自に開発.2019年4月から広島国際大学(東広島キャンパス)の南側に位置する前平山の土石流発生危険度を予測・監視している. 写真-1 2011年台風12号による深層崩壊(奈良県五條市赤谷地区) 写真-2 十津川村に設置した雨量計 図-1 深層崩壊危険度指数とその1週間累積値の経過変化(出谷) 研究者INFO: 工学部 都市デザイン工学科 地盤防災研究室 日置和昭 教授 研究シーズ・教員に対しての問合せや相談事項はこちら 技術相談申込フォーム +2
+4 村田 理尚 熱電発電に必要な高性能 n 型熱電フィルムを開発 未利用の排熱から発電する熱電発電技術に関して、大気安定な塗布膜としてはこれまでで最も高い性能をもつ有機系n型熱電フィルムの開発に成功しました。n型半導体の材料の水分散液にエチレングリコールを添加剤として加える独自の環境調和型の手法を開発しました。多様な形状に貼り付けて利用する柔らかい熱電変換素子としてIoT社会への貢献が期待されます。
+3 井上 晋教授,大山 理教授,三方 康弘教授,今川 雄亮准教授 新設&既設橋梁の性能評価に関する研究 工学部都市デザイン工学科・コンクリート構造学研究室,コンクリート工学研究室ならびに橋梁工学研究室は,八幡工学実験場・構造実験センターにて,1) 新設橋梁,2) 維持管理,3) 想定外(火災),4) 長期挙動の4テーマに関して,自主研究,企業との委託,共同研究を行っています. ここでは,その研究成果の一部について紹介します.
+3 羽賀 俊雄 クラッド材の作製用双ロールキャスター 世界に先駆けて開発したクラッド材作製用の2種類の双ロールキャスターを開発しました.一つは,複数の縦型高速双ロールキャスターを利用する縦型タンデム双ロールキャスターです.他は,スクレイパーを縦型双ロールキャスターまたは異形双ロール装着する方式です.スクレイパーを使用する方式は,Al-Mg合金やMg合金などの熱間圧延ではクラッド材の作製が容易ではない,または不可能な合金のクラッド材の作製も可能です.
+4 山口 行一 マルチエージェントを用いた避難シミュレーションツールの開発 近年、豪雨災害や地震災害が連続しています。対象地域から来街者全員が円滑に避難を完了できるかについては、個人ではなく、群集としての避難行動を把握する必要があります。本研究室では、地域に応じた防災・減災メニューの検討を支援するため、群衆を対象とした避難シミュレーションを取り込んだ複数の避難誘導案や施設整備案の効果を比較・評価するパッケージを構築しています。
笠原 伸介 低濁度原水の薬注撹拌制御に関する研究 近年、活性炭処理水など凝集性粒子をほとんど含まない低濁度水を対象にPACl注入を行い、急速砂ろ過を運用する事例が増加している。このような状況では、連続的に流入する凝集フロックではなく、突発的に流入する非凝集性粒子への対応を意図した運用、すなわち濁質捕捉効果の高いAl集積層をろ層内に速やかに形成することが重要と考えられる。 本研究では、急速ろ過層が有する固液分離の仕上げ機能を最大限に引き出すための凝集操作要件を明らかにするため、薬注後のGT値がAl集積層の形成と非凝集性粒子の阻止率に及ぼす影響を検討した。
+1 大森 勇門 川上村の微生物資源を利用した食品開発 水源地の森を始めとする豊かな自然に囲まれた奈良県川上村。川上村の植物や土壌、それから家庭のぬか床などから酵母や乳酸菌など、食品への応用が期待できる微生物の単離を行っています。これまでに16種の酵母、15種の乳酸菌を単離しており、現在はこれら単離した微生物資源をパンやヨーグルトの製造へ応用するべく、機能解析を進めています。
+2 吉村 勉 高速通信用発振器の相互干渉解析と自動補正に関する研究 近年の高速・高密度の大規模集積回路において,内蔵する発振器の性能がクロック同期系デジタル回路の処理速度に大きな影響を与える。そこで問題となるのが複数の発振器間の相互干渉である。私たちは今まで発振器の干渉ノイズのモデル化およびその実証と,位相同期回路における干渉ノイズの影響について研究してきた。特に完全同期にある発振器間の相互干渉において,小規模の補正回路でその影響を低減する手法を考案し,いくつかの知見を独自に得ている。本研究ではその知見をさらに一般的な凖同期の相互干渉の低減に適用し,今までにない新しい手法での相互干渉の影響削減の提案を行いたいと考えている。
+2 中村 友浩 3次元培養筋”OITem”の開発と評価 我々の研究グループでは、長期的な培養が可能で成熟度が高く、機能評価が簡便に実施できるマウス由来骨格筋オルガノイド作成に成功し、大阪工業大学独自のモデルとして3次元培養筋OITem (Osaka Institute of Technology:Tissue engineered muscle) と命名した。この骨格筋オルガノイドは、平面培養と異なり、細胞配向性が高く、形態的にも生体筋と類似していることが明らかとなっている。培養中に自己組織化によって生じる受動的張力を解放し、機械的除負荷を行うと生体筋の廃用性筋萎縮に類似した表現型が生じる。また、培養デバイスを汎用的な電気刺激装置が使用できるように最適化し、生体筋の収縮様式と類似した短縮性収縮を誘導したり、収縮機能を評価することも可能である。この生体外デバイスを利用し、生体筋収縮を模倣することが可能であれば、運動効果を検証する動物代替モデルとして活用できるだけで無く、高齢化に伴う筋力低下を予防できる栄養素材の開発やALS、重症筋無力症などの難病疾患の創薬等、幅広い領域で社会実装可能な基盤技術として期待できる。
+1 坂平 文博 テキストアナリティクスによるカスケード災害の分析・評価 「カスケード災害」とは、ある事象が次々と他に影響を及ぼしていく連鎖現象を有する災害のことです。本研究ではカスケード災害を分析・評価するために、自然言語処理と機械学習を用いて新聞記事から災害事象の因果知識を抽出し、災害因果ネットワークを作成します。これをもとに被害を拡大・長期化させる脆弱性ポイントを見つけ出します。(東京大学廣井悠教授との共同研究)
+4 門内 晶彦 クォークグルーオンプラズマから探る数兆度の世界 物質を形作る最小構成要素であるクォークやグルーオンなどの素粒子は、通常は原子核中の陽子や中性子などのハドロンと呼ばれる粒子内部に閉じ込められています。一方約2兆度以上の超高温になるとクォークグルーオンプラズマ(QGP)と呼ばれる素粒子のプラズマ状態になると考えられています。QGPはビッグバン直後の初期宇宙を満たしていたとされますが、高エネルギー原子核衝突による実験的な生成が可能です。モデル構築、解析計算、数値シミュレーションなどを通じてQGPの物理を理論的に研究しています。
+1 藤本 哲生 コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムの耐震性能評価手法の確立に向けた研究 都市デザイン工学科の地盤領域(地盤防災研究室、土構造研究室)では,近年多発する豪雨や来たるべき巨大地震により山腹斜面や土構造物が崩壊する危険度を予測・評価するためのさまざまな研究を行っています.このうち,コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダムの耐震性能評価手法の確立に向けた研究を紹介します.
+3 又吉 秀仁 変動風速下でも高効率で発電可能な風力発電システム 大きな慣性モーメントを有する風車は風速変動が大きい風況においてブレードの回転速度を迅速に制御することが難しく、発電出力は最大で40%以上減少する。そこで本研究室では風速変動の大きさに応じて回転速度制御のアルゴリズムを変更することで、発電効率を向上させる手法を考案した。一般的なMPPT制御を利用した場合と比較して発電電力量を30%程度増大させることが可能である。
+3 西堀 泰英 Wi-Fiパケットセンサーデータとトピックモデルによる人々の活動の特徴抽出 人流調査にも用いられるWi-Fiパケットセンサーデータに,文書データの解析手法であるトピックモデルを適用し,主に中心市街地等の人が集まる場所での人々の活動の特徴を抽出する手法です.この手法を用いてコロナ禍前後の人々の活動の特徴(通勤通学や週末夜の繁華街の活動など)を抽出し,それらの変化を把握することができました.この手法は,対象エリアの複数個所に設置したセンサーで継続的に取得したデータがあれば適用することができます.
+1 藤元 章 二硫化モリブデン/グラフェンの電気特性とガスセンサー応用 〔概要〕酸化膜付きのSi基板上にMoを電子ビーム蒸着させ,Moを硫化させることにより二硫化モリブデン薄膜を作製した.この二硫化モリブデンのトランジスタ動作も確認した.グラフェンと二硫化モリブデンのファンデルワールスヘテロ接合を作製し,その抵抗変化による水素ガスと一酸化窒素ガスの検知特性を調べた.CVDグラフェン単体よりも,二硫化モリブデン/グラフェンのヘテロ接合の抵抗変化が大きいことを確認し,ガスセンサー応用を目指している.
+4 向出 静司 想定を超える大地震下における鋼構造建物の倒壊余裕度の向上 建築基準法の想定を超える大地震に対して,建築物は耐力を保持できる変形域を超えて耐力劣化し,倒壊する懸念がある.本研究者は,一般的な鋼構造ラーメン骨組を対象に,(1)超大変形域に至るまでの構成部材の破壊実験を通じて,その耐力劣化性状を把握すること,(2)超大変形域の挙動を考慮した建物全体の地震応答解析により,その倒壊性状を把握すること,(3)倒壊メカニズムに基づいた倒壊余裕度の評価方法を提案すること,などを実施している.
松﨑 令 雪氷環境に適応した微細藻類の種多様性の解明 微細藻類は主に植物プランクトンとして知られていますが、雪氷環境に適応し、残雪や氷河の中で繁殖するグループもいます。そのような微細藻類は「氷雪藻類 (または雪氷藻類)」と呼ばれており、世界各地の雪氷環境から報告されています。しかしながら、氷雪藻類の種がどれぐらい多様で、それぞれの種がどのような生態をもつのか、詳しいことはよく分かっていません。一方で、地球温暖化により、氷雪藻類が生息できる雪氷環境は世界的に減少傾向にあります。私は氷雪藻類の種多様性の解明と保全を目的として、日本や海外のサンプルを研究しています。
+4 長谷川 尊之 超短光パルスで励起される超高速過渡現象の解明と制御 半導体表面にフェムト秒レーザーを照射すると、サブピコ秒領域において電子や原子の様々な超高速過渡現象が励起されます。超高速過渡現象はテラヘルツ波放射や誘電率変調など多彩な応答をもたらすことから、光機能デバイスへの応用の観点から注目を集めています。本研究室では、結晶の表面状態に基づいた独自のアプローチから、超高速過渡現象のダイナミクスとテラヘルツ波放射特性を探究しています。
+1 川原 幸一 新規細胞老化抑制剤|アンヒドロフルクトース 日本は世界で最も早く超高齢社会に突入し、2024年には50歳以上の人口が50%を超える見込みである。そのため、健康寿命の延伸が急務である。近年、血管の老化が健康寿命に大きく影響することが明らかになり、血管内皮細胞の機能維持が重要である。私たちは、食品成分であるアンヒドロフルクトースが血管内皮細胞の老化を抑制することを見出し権利化に成功した。これにより健康寿命の延伸が可能だと確信している。
+3 眞銅 雅子 植物種子へのプラズマ照射による発芽・成長促進と機能性改善 プラズマを植物種子に照射すると、発芽率の向上や成長促進、機能性の改善効果などが見られます。これは、気体を電離させてつくるプラズマが多量に含む化学的活性の高い粒子(活性種)が生体にとりこまれて細胞にはたらきかけるためと推測されています。したがって、植物への適切なプラズマ照射は、近年の食の安全性への関心や、健康志向による機能性食品の需要増に応えることできると期待されます。本研究では、植物種子等の生体表面にプラズマ照射を行うことで、種子表面の殺菌や、成長の促進、鮮度保持、機能性の向上等を目指しています。
藤井 彰彦 一軸掃引塗布プロセスによる太陽電池用ペロブスカイト薄膜の作製 近年太陽電池材料として有望視されている有機無機ハライドペロブスカイトの塗布製膜性に着目し、基板上に直接単結晶薄膜を作製する塗布プロセス技術を検討し、高い光電変換効率を示す太陽電池の開発を行っています。従来製膜法と比較すると、結晶粒径が100倍の100 μmの結晶が育成し、キャリア輸送に有利な結晶軸を面外方向に配向させることができ、太陽電池のエネルギー変換効率と安定性の改善に貢献しています。