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研究テーマ
ナノ・材料
学科の分類
工学部一般教育科ナノ材料マイクロデバイス研究センター

二硫化モリブデン/グラフェンの電界効果トランジスタ

工学部

一般教育科

半導体物性デバイス研究室

藤元章 教授

グラフェン二硫化モリブデンガスセンサー

〔概要〕酸化膜付きのSi基板上にMoを電子ビーム蒸着させ,Moを硫化させることにより二硫化モリブデン薄膜を作製した.この二硫化モリブデンのトランジスタ動作も確認した.SiO2上の二硫化モリブデン/グラフェンのヘテロ接合では,電流-電圧特性では線形性が得られたが,AlOx上では非線形性が得られた.本研究のMoS2結晶内にp型領域およびn型領域が生じることでショットキー性を示したと考えられる.

1. 二硫化モリブデンの作製

 SiO2付きのSi基板上に,1 nmのMoを電子ビーム蒸着装置で堆積させ,その後,900 ℃の炉内で1時間硫化させることによりMoS2を作製した。その試料のラマン分光測定を行った結果を図1に示す。Mo原子とS原子が面内で逆位相に振動する383.0 cm-1の ピークと,S原子のみが面直方向に振動する406.9 cm-1の ピークが現れ,MoS2が成長していることを確認した。また,その2つのピーク位置の波数差は23.9 cm-1であり,先行研究の結果と比較すると,我々が作製したMoS2は3層に相当することが分かった。図2に室温で測定したMoS2トランジスタのVG (ゲート電圧)-ID (ドレイン電流)特性を示す。MoS2トランジスタが動作していることが確認できた.トランジスタのサイズが数十mmで,SiO2の膜厚が90 nmであるにも関わらず,単層グラフェントランジスタと比べると,オン電流が小さく,高いVGやVD(ドレイン電圧)が必要であることが分かる。MoS2の移動度がグラフェンよりも小さいことに起因していると考えられる。

図1 ラマン分光測定結果
図2 二硫化モリブデントランジスタの伝達特性

2. 二硫化モリブデン/グラフェンのファンデルワールスヘテロ接合

 厚さ90 nmのSiO₂ および50 nmのAlOₓ をそれぞれ熱酸化および電子ビーム蒸着によってSi基板上に形成した。AlOₓ には酸素空孔が存在すると考えられる。SiO₂ 上に作製した3層のMoS₂-FETはp型の伝導特性を示した。これは,FETのアイソレーション工程で用いた酸素プラズマによりMoS₂に酸素がドープされ,MoS2-xOx が生成されたためである。さらに,市販の単層CVD Grapheneをウェット転写法でMoS2 上に形成し,Graphene /MoS₂ vdWHを作製した。図3にバックゲート電圧 (VG) = 0 VでのI–V特性測定回路図と,SiO₂ 基板上およびAlOₓ 基板上で作製したGraphene /MoS₂ FETのI–V特性を示す。SiO₂ 上のvdWHのI–V特性は線形であったのに対し,AlOₓ 上では非線形であった。先行研究の密度汎関数法による計算によれば,AlOₓ 中の酸素空孔はドナー準位を形成し,MoS₂ への電子ドーピングを可能にすることが示唆されている。AlOₓ 上のMoS₂ におけるn型領域とp型のGrapheneとの間にpn接合の界面障壁が形成されたために非線形性を示したと考えられる。

図3 バックゲート電圧 (VG) = 0 VでのI–V特性測定回路図と,SiO₂ 基板上およびAlOₓ 基板上で作製したグラフェン /MoS₂ FETのI–V特性

研究者INFO: 工学部 一般教育科 半導体物性デバイス研究室 藤元章 教授

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SDGs
研究テーマ
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