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研究テーマ
自然科学
学科の分類
工学部一般教育科

機械学習を用いた多体問題の計算法の開発

工学部

一般教育科

多体問題研究室

横田猛 講師

機械学習理論物理多体問題

世の中の物質はお互いに力を及ぼし合う微粒子が集まってできています。その微粒子の性質から物質の性質を理解する問題を多体問題と呼びますが、そのための計算方法の開発は物理学の難しい問題として残っています。この問題に対し、近年大きく発展している機械学習を用いたアプローチを開発しています。特に多体問題の解析の中でしばしば現れる汎関数微分方程式という複雑な式を数値的に解く鍵として機械学習に注目し、研究を行っています。

はじめに

世の中の物質はお互いに力を及ぼし合う微粒子が集まってできています。その微粒子の性質から物質の性質を理解する問題を多体問題と呼びますが、そのための計算方法の開発は物理学の難しい問題として残っています。

このような多体問題を扱う理論的道具として、しばしば汎関数と呼ばれるものが現れます。汎関数は数を与えると数を返すような普通の関数とは違い、関数を与えると数を返すようなものです。例えば粒子の配置がどのようなときエネルギーがどうなるか、そのような配置になる確率はいくらか、といった問題がしばしば考えられるため、汎関数が現れます。

この汎関数を通じて多体系の様々な性質が分かります。さらに汎関数を導くための方程式もいくつかの場合知られています。このような方程式はしばしば微分方程式、つまりあるパラメータを少し動かしたときの変化を表す式、で表されます。例えば汎関数くりこみ群という方法では、物質を見る「細かさ」を変えたときの変化を考え、汎関数の微分方程式で表します(図1参照)。

問題はこの汎関数の微分方程式を解く数値的方法が確立しておらず、通常は大幅な近似のもと解かざるを得ないということです。そこで我々は、近年発展している機械学習の手法でこの問題を乗り越えられないかというアイデアのもと、研究を進めました。

機械学習による汎関数微分方程式の解法

汎関数は普通の関数とは違うと上で書きましたが、見方によっては同じようなものでもあります。つまり関数を一つ指定するには(多項式の係数のように)沢山の数があればよいので、汎関数は沢山の数に関する関数(高次元関数)とも考えられます。この高次元関数の微分方程式はやはり解くのが難しいです。

ただこの課題に光を当てつつあるのが機械学習です。微分方程式を解く際、普通の数値計算では解を多数のデータで表しますが、高次元関数ではデータの量が膨大になり扱いが難しくなります。一方近年開発された、物理情報に基づいたニューラルネットワークという機械学習による方法では、解をニューラルネットワークとしてモデル化することにより、高次元関数も扱えるようになります。私達は汎関数くりこみ群など理論物理で現れる式にこの方法を応用し(図2参照)、空間次元が低い場合などの簡単な系への適用を行いました。

図1: 汎関数くりこみ群の概念図
図2: 汎関数くりこみ群の方程式とニューラルネットワークによる解の表現

今後の展望

汎関数くりこみ群に関しては、これまでの近似の改善だけでなく、空間非一様な場合などをどう扱うかといった難しい課題がありますが、本研究を進めることでこういった根本的課題の糸口とすることを目指しています。汎関数は材料工学、創薬などとも関わる量子化学から、統計力学、原子核物理など様々な多体問題で現れ、本研究を通じて分野横断的な成果を目指します。

論文

「Physics-informed neural networks for solving functional renormalization group on a lattice」(2024)YokotaTakeru『Physical review B』109p.214205.

「Physics-informed Neural Networks for Functional Differential Equations: Cylindrical Approximation and Its Convergence Guarantees」(2024)YokotaTakeru『38th conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS 2024)』

研究者INFO: 工学部 一般教育科 多体問題研究室 横田猛 講師

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SDGs
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見市 知昭

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0
河村 耕史

排CO2ゼロのバイオエネルギー生産システム

再生可能でかつ低炭素社会の実現に貢献する次世代エネルギー生産システムの構築は急務の課題である。これまで、微生物の代謝活動(光合成、発酵、電子伝達)を利用したバイオ燃料の生産技術が個々に追求されてきたが、未だ実用化が難しいものが多い。本研究は、これまで個別に研究開発されてきたバイオ燃料生産システムを統合することで、物質の循環利用構造を構築し、エネルギー変換効率を飛躍的に高めることを目的とした研究と技術開発を行っている。

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