加速度センサを用いた歩行状態計測による体調の推定

情報科学部

データサイエンス学科

IoTシステム研究室

荒木英夫 教授

加速度センサを用いて被験者が歩行している際の体の揺れを測定することにより、被験者の体調変化を検出することを目指す。具体的な想定として、高齢者を対象とした生活改善を目指したプログラムを実施した際にその効果やプログラムへの満足度を評価することは難しく、一般的にはアンケート等を取ることにより評価を行っている。そこで高齢者である被験者に邪魔にならない程度のデバイスを身に着けてもらい、プログラムの前後において歩行時のリズムや重心のブレ方が変化するかを測定しその結果から体調の変化を検出することを目指す。

研究背景と概要

1.コロナ禍により生活スタイルの変化

    • ネット通販や配達サービスの普及
    • オンラインによる業務
    • これらにより運動不足がこれまで以上に問題になる

→ 生活習慣病につながる可能性も

  発病前にある程度判断出来れば自己による改善ができるのでは?

2.高齢者における生活習慣の変化

  • 孤立などによりモニタリングなどが必要なケースが増えている
  • 生活向上を目指したプログラムなどを実施した際に、その効果について客観的な評価方法を確立したい

3.これらのことから、以下のようなシステムの実現を目指す

  • 加速度センサを用いて被験者が歩行している際の体の揺れを測定
  • この結果から被験者の体調変化を検出することを目指す
  • 被験者に邪魔にならない程度のデバイスにする
  • イベントやプログラムの前後において歩行時のリズムや重心のブレ方が変化するかを測定しその結果から体調の変化を検出することを目指す

4.センサデータと評価方法

  • センサを用いて通常の歩行状態を記録する
  • 生活時のセンサ情報の変化から異なった歩行状態の測定を行う
  • 測定値から歩行状態の違いが検出できるか評価する

 

現状と実験結果

現在のところ

  • センサの装着場所の比較と検討
  • 歩き方による違いの検出可能性

について評価している

結果と課題

上記の実験結果から

  • 通常状態の歩き方とそのほかの歩き方について、加速度センサの出力から得られた信号を周波数解析した結果、波形上では違いを確認できることがわかった

今後の課題としては

  • 現在はオフライン処理であるが、リアルタイム処理にする
  • リアルタイム処理であれば事故の検出にも有効
  • センサ情報を周波数だけではなく、時系列変化での評価を行い測定結果について確度が向上するかを評価する

などがあげられる

研究シーズ・教員に対しての問合せや相談事項はこちら

技術相談申込フォーム