底背屈と回外内動作を提供する足関節の関節可動域運動支援装置

ロボティクス&デザイン工学部

ロボット工学科

フレキシブルロボティクス研究室

谷口浩成 教授

拘縮とは,関節の柔軟性が失われた状態であり,発症前に予防することが重要である.拘縮の予防方法として,理学療法士による関節可動域(Range of Motion : ROM)訓練が実施される.しかし,高齢者の福祉施設や,通所リハビリテーションの事業所など,介護の分野における理学療法士の不足が指摘されている.そこで本研究室では,理学療法士に代わってROM訓練を行う運動装置の開発を行っている.本研究では,独自に開発した空気圧ソフトアクチュエータを用いることで,足関節のROM訓練やストレッチ運動など多様な動作を実現できるリハビリテーションシステムについて紹介する.本アクチュエータの柔軟性を利用することで,患者に対して安全で予防に必要な多様な動作を提供できる点が特長である.

足関節の関節可動域訓練のポイントと最大可動域

近年,治療の早い段階でリハビリテーションを取り入れる「急性期リハビリテーション」の重要性が認識されている.この目的は,廃用性症候群(床ずれ,筋萎縮,関節拘縮など)の防止や軽減である.本装置は,4つの関節可動域訓練運動(底屈,背屈,回内,回外)とむくみなどを取り除くためのマッサージ運動を提供できる.

足関節の関節可動域訓練動作と,空気圧ソフトアクチュエータ

足関節の関節可動域訓練動作装置

装置がおこなう関節可動域訓練

実用化に向けた課題

謝辞

本研究は,公益財団法人JKA機械工業振興補助事業(競輪)の補助を受けて実施されました.深く感謝申し上げます.

論文

「Development of ROM Device for Ankle Joints using Pneumatic Soft Actuators」(2018)OheSachio『Proceedings of International Conference and Exhibition on New Actuators and Drive Systems (ACTUATOR18)』

「ソフトアクチュエータを用いた足関節の多自由度他動運動装置の開発」(2018)大江祥生『日本機械学会2018年度年次大会講演論文集』S1110401

「Feasibility Test of Range of Motion Exercises for Ankle Joints Rehabilitation Using Pneumatic Soft Actuators」(2016)TaniguchiHironari『Lecture Notes in Electrical Engineering』345

特許

特願2018-069019 「足関節・足部の運動支援装置」

特願2020-017922 「足関節の運動装置」

研究シーズ・教員に対しての問合せや相談事項はこちら

技術相談申込フォーム